山形新聞補完

米沢労基署が過労死と労災認定【遺族手記全文】

2018年04月03日
 平成29年1月23日は大雪で寒さが一段と厳しい夜でした。夫が会社から午後11時10分ごろに帰宅後、疲れた様子で言葉少なに就寝すると、まもなく突然反応がなくなり救急車を要請しました。病院に到着し蘇生を試みましたが、意識は戻ることはなく、急性心不全で38年の生涯を終えました。1、2週間前に胸の苦しみや痛みを訴えていましたが、仕事が忙しく、真面目で責任感が強い夫は、会社を休んで病院に行くこともできませんでした。あのとき無理やりにでも病院に連れて行けば、命を落とすことはなかったのかもしれないと後悔しています。

 夫は24時間稼働している半導体製造工場に勤務しており、機器のトラブルにも深夜や休日を問わず対応していました。また、過大なノルマを課され、納期までに間に合わせるのは明らかに難しいのに対応せざるを得ない状況に、身体だけでなく、精神的なストレスも抱えていました。不眠を訴える日も多く、職場での理不尽な指示や要求に苦しんでいることを、私にこぼすこともありました。

 何をしても、もう夫が戻ってくることはありません。私も子どもたちも、このような形でいつもの幸せな毎日が終わるとは思ってもみませんでした。長年の夢だったキャンピングカーの納車を目前に控え、心待ちにしていました。当時8歳、6歳、1歳の誕生日を迎えたばかりの3人の女の子たちを残して、キャンピングカーでの家族旅行を実現できぬまま、夫は苦しみながら逝ってしまいました。夜遅くまで仕事を頑張り、少ない休暇でも休日は家族と過ごす時間を大切にしていました。これから家族みんなでたくさんの思い出を作ろうと張り切っていたのに…。

 夫の尊い命が過労死として労災の認定が下りた後でさえ、焼香のために自宅を訪問した上長からは、儀礼的なあいさつがあっただけで謝罪の言葉はなく、会社側の対応には誠実さが感じられませんでした。15年間、誠心誠意、勤勉に働いてきた夫の会社に対する貢献はなんだったのだろう、と腹立たしさとむなしさを覚えました。

 私たち親子のような過労死による遺族をこれ以上増やさないためにも、企業、そして経営者は、従業員との関係性を見直し、従業員の命と健康を第一に考えてほしいと願ってやみません。
(遺族手記全文)

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