談話室

▼▽首にタオルを巻いて、ジャンパーとオーバーを重ね着した男が写真に納まる。丸顔の表情は善良そうだ。写真の下のキャプションにはこうある。「青森刑務所での服役中、短歌を詠むことを覚えたという男 2003」

▼▽寒河江市美術館で今月末まで開かれている鬼海(きかい)弘雄さんの写真展である。東京・浅草で撮り続けた庶民の肖像45点を初めて古里で一堂に展示している。「美容師だったという早口の男 1999」に写るのは、およそ美容師だったとは信じられないほどボサボサ頭の中年だ。

▼▽ある時はキャプションと写真が共鳴し、またある時にはかみ合わずに笑いを誘う。そんな絶妙の間合いに加え、さらなる特徴は被写体を全てモノクロで撮影したことだ。無機的な灰色を背景にして人物の表情とポーズが生々しく立ち上がってくる。しかしそれだけではない。

▼▽白と黒のグラデーションだけで表現された世界は、見る者を過去への哀惜にも誘(いざな)う。富士フイルムが、需要減少のため出荷を終えていた白黒フィルムの販売を愛好家からの要望を受け今秋再開するという。一見時代遅れに思えるものにも人の琴線に触れる価値がきっとある。

(2019/06/17付)
最新7日分を掲載します。
  • 6月17日
  • ▼▽首にタオルを巻いて、ジャンパーとオーバーを重ね着した男が写真に納まる。丸顔の表情は善良そうだ。写真の下のキャプションにはこうある。「青森刑務所での服役中、短歌を詠むことを覚えたという男 2003」 [全文を読む]

  • 6月16日
  • ▼▽「お掃除ロボット」が自動で障害物を避けながら家を掃除する。発表当時は驚いた光景も極端に珍しいものではなくなりつつある。人や物を検知し、ブレーキや発進を制御する車が走る時世である。当然かもしれない。 [全文を読む]

  • 6月15日
  • ▼▽哲学者の和辻哲郎は人間の気性を風土によって「モンスーン」「砂漠」「牧場」の三つに分類した。このうち東アジア沿岸などモンスーン地帯に住む人々は「受容的・忍従的」な特性があるという。もちろん日本人も。[全文を読む]

  • 6月14日
  • ▼▽人間という存在を端的に表すなら、どんな文章になるだろう。井上ひさしさん(川西町出身)の戯曲「きらめく星座」に、登場人物が自問自答する場面がある。国民が戦争に翻弄(ほんろう)され、命が軽んじられた時代が舞台だ。 [全文を読む]

  • 6月13日
  • ▼▽知人が話していた。冬の暖房用に薪(まき)割りで汗を流したと。薪ストーブ派が増えているように感じる。薪に限らず木の活用例が目立つ。施設では、旧長井小第一校舎や白鷹町の複合施設が木を生かした形でお目見えした。 [全文を読む]

  • 6月12日
  • ▼▽店のシャッターが上がり始めると皆がわれ先に体を潜り込ませ商品棚に群がる。殴り合いが起こるほどの激しい争奪戦の対象は、ユニクロの限定Tシャツだ。中にはマネキンのシャツを脱がそうとする猛者まで現れた。[全文を読む]

  • 6月11日
  • ▼▽米国男子陸上界の伝説の 一人、ジェシー・オーエンスは1936年のベルリン五輪で100メートルなど4冠を達成した黒人アスリートだ。「褐色の弾丸」と呼ばれたが人種差別の中で波乱の生涯を送ったことでも知られる。[全文を読む]

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