統一地方選の幕開けを前に「政治とカネ」の問題が相次ぎ、国会には不穏な空気が流れていた。彼岸が近づき、山形県内にようやく春の気配が漂い始めたころ。東京の桜は既につぼみが膨らんでほんのりと赤みが差し、国会正門前の通りを挟んで南北に広がる国会前庭は1年で最も麗しい季節を迎えつつあった。
20度を超すような連日の陽気で、東京の桜は平年より3日早い3月23日に開花。ソメイヨシノは新年度のスタートを待ち切れずに満開となった。
衆院事務局・憲政記念館が管理する国会前庭には、桜とハナミズキが約160本ずつある。桜が散ると、まるでリレーするかのようにハナミズキの時季が到来する。
「憲政の神様」と称され、同記念館中央に銅像がある尾崎行雄衆院名誉議員(当時東京市長)は米ワシントンに桜を寄贈した。その返礼として米側が1915(大正4)年に贈ったのがハナミズキだった。それからちょうど100年。日米で10日、両国の議事堂とこれら周辺の花々をデザインした記念切手が共同発行される。
|
|