山形再興

第8部・増やせ交流人口(2) 道の駅「米沢」

2018年08月28日
県内外から訪れた多くの観光客でごった返す道の駅「米沢」=8月12日
県内外から訪れた多くの観光客でごった返す道の駅「米沢」=8月12日
 今月のお盆休み、米沢市内でひときわ混雑している場所があった。4月に東北中央自動車道の米沢中央インターチェンジ近くに開業した道の駅「米沢」だ。ピークの14日には1日の来場者数が1万2千人を超えるなど連日1万人前後の人出を記録、周辺では渋滞も起きた。

 国の「重点道の駅」として、休憩や道路情報提供に加え、外国語の案内もできる観光コンシェルジュが常駐する案内所を設けるなど、県南の“玄関口”として大きな期待を背負って開業した施設。来場者は年間目標の85万人に対してほぼ倍のペースで推移している。今のところ、集客力に関しては当初の期待を大きく上回っている。

 「今のペースなら9月上旬には目標の85万人を突破し、10月中には100万人の大台に届きそうだ。年間では120万人を見込めるのではないか」と坂川好則駅長(65)。仮に120万人なら、県内の道の駅としては「鳥海ふらっと」(遊佐町)に次ぐ第2位に相当する。「米沢」は観光拠点として、道の駅の新たな可能性を開いたともいえる。

 今月12日、埼玉県川越市の会社員布川剛さん(40)明日香さん(44)夫妻は、家族4人で天童、蔵王などを訪れた後に道の駅「米沢」へ立ち寄った。「米沢牛がどうしても食べたくて。リーズナブルに食べられるとネットで見つけて来た。農産物やお土産もたくさんあって気持ち良く帰れそう。また来たい」。

 道の駅「米沢」開業は、県内ではもちろん大きな話題になったが、県外客にも浸透しつつある。日曜の6月17日に来場した車を調べたところ、県内ナンバーは39%で、福島が33%、宮城と北関東が各8%だったという。サクランボ狩りシーズンで県外からの観光客が多い時期ではあったが、県外からの集客力の高さが裏付けられた形だ。

 そこで期待されるのは、道の駅を訪れた観光客を置賜や県内各地へと誘導する役割。それを担うのが、外国語にも対応できるコンシェルジュが常駐する総合観光案内所と、「米沢・置賜百選まちナビカード」コーナーだ。

 総合観光案内所は7月だけで窓口、電話合わせて4700件近い問い合わせがあり、うち3分の1は道案内、4分の1は観光案内だったという。坂川好則駅長は「福島や新潟など隣県の簡単な情報も含め、案内は9割方対応できている。今後はモデル観光コースをより充実させたい」と語る。

 まちナビカードは置賜各地100施設のクーポンをカードにして掲示。割引や飲み物プレゼントなどの内容で、自由に持って行き、使ってもらう仕組み。利用者の反応は上々で、オープンから6月末まで実際に参加施設で使われた「回収率」は平均5.8%に達している。同様のクーポンは一般的に回収率4~5%といわれるだけに、置賜一円の周遊促進へ一定の寄与をしているといえそうだ。

 ただ、まちナビカードの印刷費用は各施設の負担で、回収率20%超の施設がある一方、ゼロという所もある。そこで施設側の負担を減らすため、米沢市は山形大や国立情報学研究所と連携して同じような機能を持たせたスマートフォン用アプリを開発中で、年度内にはリリース予定だという。

 このアプリを使えば、観光客がどういうルートで行動しているか、といったデータを取ることも可能。同市観光課は「外国人も使えるものにしたい。来年度以降、置賜定住自立圏の事業としても取り組んでいきたい」としている。

 県は2016年度に策定した「やまがた道の駅ビジョン2020」で、20年をめどに30駅程度まで増やす―との目標を掲げている。21番目に開業した「米沢」は、県南の玄関口として大きな可能性を示しつつある。ここで積み上げたノウハウは、道の駅を通じた県全体の交流人口拡大へ、大きな武器になるだろう。
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