家づくりコラム家識

⓮「住まいの第一印象、外壁について考えましょう。」

いろいろな外壁に囲まれている男の子のイラスト

外壁や屋根、フォルムや装飾などの外装は住宅の印象を決定づける重要な要素。特に、外観の大半を占める外壁材に何を選ぶかで家の表情は大きく変わってきます。その際、周囲の環境や街並みとの調和も意識したいところです。さらに、外壁材には住宅内の快適さを左右する耐久性や防水性、断熱性、遮音性、耐震性などの機能性も求められます。そこで今回は、外壁材選びの参考にその種類やそれぞれの特徴についてご紹介します。

【窯業系サイディング】

最近の木造住宅の主流は、窯業系サイディングです。セメントに無機材や繊維を混ぜて板状にしたサイディングボードで、レンガやタイル調、木目調、石積み風など、デザイン性も高く、カラーバリエーションも豊富。住まい全体のイメージ、家族の好みに合ったものを選ぶ楽しさもあります。しかも、遮音性や防火性、耐震性にも優れていて工期も比較的短いといったメリットもあります。ただ、主原料であるセメントには防水性がないため、表面の塗膜が剥がれてくると防水性が落ちてしまうため、定期的なメンテナンスが必要になります。

【金属系サイディング】

シンプルでスタイリッシュなデザイン性で人気の金属系サイディングは、アルミやガルバリウムなどの金属板で作られた外壁材。窯業系より軽量で建物への負担がかかりにくく、加工がしやすいため施工日数も少なくて済みます。さらに、断熱効果のある裏打ち材が入っているため断熱性も高く、防音性・耐水性・耐久性・耐震性などにも優れています。デメリットとしては、キズやへこみができやすいことや酸性雨や塩害に弱いということが挙げられます。

【木質系サイディング】

天然木の無垢材や集成材を材料とした外壁材で、木のぬくもりや木目の味わいが楽しめる、ナチュラル指向の方に好まれる外壁です。天然の木材は熱を吸収しにくいため断熱性に優れ、調湿効果も発揮します。天然の素材であるため、紫外線や風雨にさらされることによる劣化は避けられません。その点では、小まめなメンテナンスが必要になってきます。木質ならではの風合いやデザイン性には憧れるけれど、劣化は気になるという方には、外観のアクセントとして部分的に採用するというパターンも有りです。

【ALC(軽量気泡コンクリート)】

ALCとは、内部に気泡の穴が開いている特殊コンクリートの一種で、重さは通常のコンクリートの1/4程度です。軽量でありながら強度は高く、気泡に含まれている空気の効果で断熱性も高く、耐火性や遮音性にも優れています。耐久性もありますが、水には弱いというデメリットがあり、防水機能がないため防水性を保つための塗装が欠かせません。

【漆喰】

古くからお城や寺社、土蔵などに使われてきた漆喰は、消石灰を主原料とした塗り壁材で、調湿機能のある呼吸する壁として内壁にも使用されます。静電気を溜めにくいため埃を寄せつけず、防火性や防音性にも優れている点もメリットの一つです。また、塗り方や着色によって和風から洋風まで違和感なく溶け込み、見事な存在感とデザイン性を印象づけます。一方、工程に乾燥時間が必要になるため他の壁材に比べて工期が長くなってしまいます。

【タイル】

タイルは、粘土や陶土、石材を砕いたものなどを高温で板状に焼き固めた建築材です。外壁材としては色褪せしにくく高級感があり、耐久性などにも優れています。下地や目地はメンテナンスが必要ですが、タイル自体は風雨や日差しの影響を受けにくいため基本的にはメンテナンスフリー。サイディング等に比べて初期費用はかなり高くつきますが、長い目で見ればメンテナンス費用が低く抑えられる分、割安と言えるかもしれません。