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鳥海山麓でホウネンエビ新種発見 遊佐・ガイドの畠中さん、国際学術誌に掲載

2018年07月09日 11:13
畠中裕之さん
畠中裕之さん
 遊佐町の鳥海山麓で、最も原始的な甲殻類「ホウネンエビ類」の新種が見つかったとして、6日付の動物学のオンライン国際学術誌「BMCズーロジー」に掲載された。発見者の一人は同町吹浦の自然ガイド畠中裕之さん(51)で、2013年に趣味の昆虫観察中に見つけた。山形大の研究者を含むグループが論文をまとめ、5年越しの“大発見”認定に関係者が沸いている。

 今回はロシア・ハンカ湖や北海道・知床で見つかった三つの新種の一つとして掲載された。形態の違いを調べた環境省羅臼自然保護官事務所の高橋法人さん、DNA鑑定を担当する山形大医学部の梅津和夫客員准教授など、県内関係者4人を含む計9人が結集し、17年4月に同誌に論文を提出した。同誌を発行する英国のBMC社は科学誌ネイチャーを出版する「シュプリンガーネイチャー社」の傘下にある。

畠中裕之さんが見つけた新種のホウネンエビ類。下は5ミリ方眼紙(畠中さん提供)
畠中裕之さんが見つけた新種のホウネンエビ類。下は5ミリ方眼紙(畠中さん提供)
 畠中さんは13年4月にトンボの観察中、偶然雪どけの水たまりで新種を見つけた。体長1.5~2センチほどで13年以降、雄雌合わせて毎年約千匹は確認している。春先にできる水たまりは、大きい時で長辺30メートルほどで夏には枯れるため個体は消滅するが、乾燥した卵が休眠状態になり、雪どけとともにふ化している。ホウネンエビは県内では確認されていなかったため、畠中さんは青森以北のキタホウネンエビの分布が南東北まで広がったと推測。北海道大にメールで調査を依頼し、新種だと分かった。

 一方、ロシアの個体発見者は本紙で「やまがた昆虫図鑑」を連載した自然写真家永幡嘉之さん(山形市)。畠中さんの師匠であるカブトエビ研究会代表五十嵐敬司さん(酒田市)も名を連ねている。今回の発見でホウネンエビ類が全国の新たな地域にも生息している可能性があり、より詳しい分布や生態の解明が期待される。

新種が見つかった融雪の水たまり=2013年、遊佐町(畠中さん提供)
新種が見つかった融雪の水たまり=2013年、遊佐町(畠中さん提供)
 新種には畠中さんの名前が付く予定だ。「僕はたまたま気付いただけ。形にしてくれた皆さんに感謝したい」と謙遜しながらも「子どもたちには未知の世界は広く、皆が世界的な発見をできると伝えている。生き物に興味を持つきっかけになればうれしい」と話した。

◇ホウネンエビ カブトエビやミジンコが属する鰓脚(さいきゃく)類に分類され、中国大陸や関東より西の水田に生息する。あおむけに泳ぐのが特徴。やや大型で北海道と青森で見つかったものはキタホウネンエビとして1957(昭和32)年に登録されている。

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