県内ニュース走行中の録画映像で高齢者に個別指導 県警、ドライブレコーダー貸し出し
2018年07月12日 13:45
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ドライブレコーダーで録画した走行中の映像をチェックし、警察官からアドバイスを受ける林守男さん(右)=米沢署
運転操作ミスなどによる高齢者の事故が全国的に相次ぎ、対策が急がれている。県警は昨年3月から、事故を複数回起こした70歳以上のドライバー宅を警察官が訪問し、家族同席の上で個別指導を行ってきた。今年5月末までの対象者は277人に上る。 指導を受け、運転に不安を感じて免許を返納するケースもあるが、どうしても車を手放せない人もいる。そこで県警は昨年9月から指導対象者や希望者らに向け、山形、鶴岡、米沢の3署でドライブレコーダーの無料貸し出しを始めた。今年5月末までに15人が利用している。 米沢市春日1丁目、無職林守男さん(83)は自ら希望し、6月に貸し出しを受けた。買い物や病院への移動手段として、免許の有効期限がある2年後までは運転を続けたいという。「若い頃よりも運転中の視野が狭くなり、とっさの反応が鈍くなった」と話す。 林さんはドライブレコーダーを設置し、2週間後に米沢署で署員と一緒に映像をチェックした。録画された車前方の映像を見た署員は「右や左に寄るふらつきの癖はないですね」と評価しつつも、ある林さんのくせを指摘した。 交差点や店舗駐車場などで一時停止する際、本来止まるべき位置を越えてしまうため、左右からの人や車両とぶつかる危険があるという。署員は「停止線で確実に止まり、そこから少しずつ進んで左右を確認して」とアドバイス。林さんは「自分の癖に気付けて良かった」と感謝した。 県警は、県警察官友の会から寄贈を受け、今夏中にも全署にドライブレコーダーを配備する。県警交通企画課は「車を必要とする高齢ドライバーはこうした制度を活用し、自分の運転技術を見直してほしい」としている。
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