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【女子駅伝】女子も強い、南陽・東置賜が初V

2018年11月19日 08:15
 県内11チームが上山市本庄地区公民館前をスタートし、山形市の山形メディアタワー前をゴールとする5区間、20.5キロで競うヤマザワカップ第35回県女子駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会主催)は18日に行われ、南陽・東置賜が総合タイム1時間8分21秒で初めての栄冠をつかんだ。

 南陽・東置賜は1区で4位につけ、その後はたすきがつながるたびに順位を上げて4区でトップに立った。5区安部日和(城西国際大・山形城北高出)ら3人が区間賞の力走で、後続に1分30秒以上の差をつけて完勝した。

 酒田・飽海は1区今野まどか(酒田市陸協)が区間記録を更新するなど常に上位を争って2位。鶴岡・田川は5区加藤恋(鶴岡南高)が2人をかわして3位に入った。4位は2~4区途中をトップで好走した上山、5位は天童・東村山、6位は米沢だった。

【評】南陽・東置賜は中学生区間を含む3~5区で区間賞を獲得するなど、中盤以降で地力の高さを示した。酒田・飽海は1区今野が区間新の走りでレースの流れをつくり、上位入りにつなげた。鶴岡・田川は5位から2人抜きした5区加藤の力走が光った。

【ハイライト】一時トップから1分差…でも焦らない
4区で上山を抜いてトップに立つ南陽・東置賜の渡部莉奈(高畠中、左)=山形市
 一時はトップに1分差をつけられる展開だったが、南陽・東置賜は焦らなかった。一つ、また一つ着実に順位を上げて4区で先頭に立つと、最後はエース安部日和(城西国際大・山形城北高出)が盤石の走りでフィニッシュ。初の栄冠を手にし、小野正晃監督は「うれしい。優勝以上に選手が笑顔で走りきってくれたことがうれしい」と破顔した。

 各チームがエース級をそろえた1区で長沢日桜里(山形城北高)が4位でつなぐと、2区吉田百那(同)が3位でリレー。トップを独走した上山との差は1分に広がったが、小野監督は「タイム差は心配していなかった」と選手たちの底力を信じていた。期待通りに3区高橋彩那(赤湯中)が2位に上がり、小野監督から「遠慮せずに攻めろ」と指示を受けた4区渡部莉奈(高畠中)が上山をかわしてトップに躍り出た。

 10月に5000メートルの自己ベストを更新するなど力を上げてきたアンカー安部は「自分の走りはできなかった」と反省しつつも「多くの人の支えがあってここまでこられた」。自身初という駅伝のゴールテープを切った余韻に浸った。

 南陽・東置賜は県縦断駅伝競走大会で男子が総合7連覇中。負けじと練習を積んできた女子のメンバーは小学時代から「南陽東置賜駅伝ジュニア」で走り続けた仲だ。小学生だった高橋、渡部は当時中学生の安部に憧れてきた。県外の大学に通う安部は「来年も必ず戻って連覇する。地元に恩返ししたい」。地域を挙げた地道な育成、そしてこの大会への強いこだわりが初戴冠に結実した。

中学生区間の力走が大きかった
 小野正晃南陽・東置賜監督の話 ずっとたすきをつないできた仲間がいたから今回の結果につながった。中学生区間の3、4区でトップとの差を約30秒ずつ縮めてくれたのが大きかった。さらに選手層を厚くして来年に臨む。

【ヒロイン】1区にベテラン、粘って抜けて区間新
1区で区間新の力走を見せた酒田・飽海の今野まどか(酒田市陸協、右)
 アンカー勝負で優勝を逃した昨年に続き、酒田・飽海は目標の頂点に届かなかった。1区の区間新記録を出した今野まどか(酒田市陸協)は「勝てないのは弱いということ」と語り、死力を尽くしたからこそ潔く負けを認めた。

 レース直前、今大会最年長の30歳の今野は「正直怖い」と漏らした。各チームがエース級を投入し、レースの行方を左右する1区は今野にとって初めての区間。高校生が主体で果敢な仕掛けが予想される中、住石智也監督は最終区を担った前回の苦い記憶を払拭(ふっしょく)してほしいとの願いを込めて送り出した。

 豊富な経験が鍛錬の成果を導く。今野は気温が上がることを想定し、後方から追い上げるプラン。勢いよく飛ばす高校生の後方でじっと我慢した。「粘って粘ってピッチが乱れる登りに差し掛かるのを待った」。高低差のある難所でスパートをかけ、残り1キロを切って先頭に躍り出た。区間記録を1秒更新する快走で第1中継所に飛び込んだ。

 「(今野の)力走に応えたかった」とアンカー住石千紗(酒田南高)。一時は順位を落としたチームは、最終区で2位に再浮上する粘りを見せた。高校生エースをけがで欠く中、優勝争いを演じた選手たちを住石監督は「見せ場をつくってくれた」とたたえた。

【スポット】高校生が発奮、鶴岡・田川3位
鶴岡・田川の1区佐藤明日美(酒田南高、右)が2区渡会紫乃(同)にたすきを渡す=第1中継所
 一般、大学生選手の不在を感じさせない力強さを見せ、鶴岡・田川が3位に食い込んだ。坂井正則監督は「不安もあったが、序盤から上位が見える位置でレースができた」と語り、高校生の力走をポイントに挙げた。

 チームの柱となる五十嵐徳子(東北福祉大・鶴岡北高出)が負傷のために欠場。そういった不安材料は、逆に各選手の奮起を促した。「先輩ばかりに頼っていられない」と1区佐藤明日美(酒田南高)が先頭集団を引っ張り、区間3位でつないだ。初出場で経験の少ない中学生区間も耐え、5位でたすきを受け取ったアンカー加藤恋(鶴岡南高)は「前が見えて気持ちを強く持てた」。1キロすぎに1人、ラストスパートでさらに1人を抜いた。

 坂井監督は「みんなでカバーし、結果的に順位が上がった」と総合力をアピール。伸び盛りの1年生で上位入りに貢献した加藤は「来年はエースになり、チームのもっと強い力になりたい」と意欲を燃やした。

序盤の流れつくったが…終盤失速、上山4位
2区でトップを独走した上山の石沢希らら(山形城北高)=上山市
 2区で2位に約50秒差をつけるなど一時、大きくリードした上山だったが、終盤で順位を落として昨年と同じ4位となった。伊藤智彦監督は「これが駅伝」と淡々と話しつつ「前回はレースを盛り上げられたという気持ちがあった。今回は本当に悔しい」と吐露した。

 1区叶内菜々美(山形城北高)が区間2位、2区石沢希らら(同)が区間1位の走りで序盤の流れをつくった。昨年、5人抜きの快走を見せた石沢はこの日も1人をかわして先頭に立つと、2位以下に大差をつけてリレーした。ここまではプラン通りだったが、伊藤監督は「トップを維持するためのレース運びができなかった。うちに足りないものは『経験』」と総括し「これで仕切り直し。レベルアップのための強化を進めたい」と来年を見据えた。

大崩れなし、天童・東村山5位
 ○…天童・東村山は大崩れのない安定したリレーで、5位を確保した。矢ノ目芳実監督は「誰を使っても良い状態だった」と、各選手の走りに納得の表情を見せた。

 2区鈴木華奈(山形城北高)が「焦らずに前に詰めて行けた」と区間2位の走りで、順位を二つ上げて5位にした。矢ノ目監督が「大変満足した」のは、その後の中学生区間。3区小野寺美麗(天童三中)と4区岩崎愛花(同)がともに区間4位で流れをつないだ。中学生区間がチームの課題になっており、今大会2カ月前からエントリー外の選手を含めて合同で練習し、一定の成果を示した。

 当面の目標とする3位まで12秒差に迫り、指揮官は「断トツとなる選手はいないが、3位まで手の届くところにいる」と手応えを語った。

米沢6位、4年ぶり入賞
 ○…米沢は5人全員が6位以上をキープし、4年ぶりの入賞となる6位に滑り込んだ。

 4度の優勝を誇るが、ここ3年は8位と低迷。沢田賢一監督は選手に勝利への貪欲さを訴え、意識改革を求めてきた。「確実に力は付けている。あとは結果だけだった」。前半に舟山愛理(山形大)や長沼明音(九里学園高)ら主力を並べ、各区間で先行するチームの背中を捉え続けた。

 アンカーを予定していた大学生エースを故障で欠き、代わりに起用されたのは黒田愛奈(米沢興譲館高)。出場を告げられたのは数日前だったが、前回覇者の山形に追われる6位でたすきを受けても「攻めの姿勢を貫いた」と、一度も振り返ることなくゴールへ。さらに上位をうかがう兆しを印象付けた。

【区間新】素直にうれしい
 ▽1区 今野まどか(酒田・飽海、酒田市陸協) 素直にうれしい。積極的な走りを見せる高校生に引っ張られ、自然とペースが上がった。残り1キロからロングスパートをかけたことが好タイムにつながった。

【長期出場者表彰】
 ▽監督・マネジャー 伊藤智彦(上山)=15回▽監督 中津川典広(長井・西置賜)高橋卓美(北村山)=5回▽選手 長沼明音(米沢)安部日和(南陽・東置賜)長沢日桜里(同)小林咲葉(長井・西置賜)近野桃花(同)石沢希らら(上山)立里柚(天童・東村山)=5回

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