県内ニュース上山のバイオマス施設で爆発 民家に被害、女性軽傷
2019年02月07日 08:08
6日午後4時10分ごろ、上山市金谷の金谷工業団地内にある「山形バイオマスエネルギー」の発電施設で爆発事故が発生した。上山署によると、水素タンクの金属製のふたが吹き飛び、南西側の民家の壁を突き破り、中にいた30代女性が頭や首に軽いけがをした。周辺の工場や民家では爆風で窓ガラスが割れる被害が確認された。同署は7日午前に実況見分を行い、事故原因を調べる。
同署の話では、事故当時、発電施設は試運転をしており、稼働開始から10分ほどで水素タンクが爆発したという。吹き飛んだ金属製のふたは直径3メートル、厚さ1センチの円形。施設から約100メートル南西にある民家2階部分の壁を直撃した。けがをした女性は生後1カ月の娘とともに、ふたが壁を突き破ったのとは別の部屋にいた。 女性によると、娘をあやしていた時に大きな衝撃を感じ、木片のようなものが頭に当たったという。「2階の部屋には、銀色の円盤のようなものも落ちていた。ぶつかっていたらと思うと怖い」と不安そうに話した。 施設の東隣にある少なくとも3カ所の工場などで、爆風により窓ガラスが割れているのが見つかり、他にも広範囲に爆発の衝撃や振動で建物の破損が確認された。 事故があった発電施設は、建設業や産業廃棄物処理業の荒正とヤマコー(ともに山形市)などが木質バイオマス発電の新会社として設立した「山形バイオマスエネルギー」が運営。昨年12月に完成した。チップを高熱で炭化させた際に出るガスを燃焼させ、エンジンを回して発電する方式を採用しているという。 現場はJR奥羽本線の茂吉記念館前駅から約500メートル南東側。 地震のような揺れ 耳をつく爆音と地震のような揺れは工業団地の外にまで広がり、周囲の建物のガラスが割れた。「雷の何倍も大きな音だった」。夕方に起きた爆発事故に辺りは騒然となった。 現場周辺は広範囲に警察の規制線が張られ、「何があったのか」と様子をうかがう人も。被害の確認をしていた消防団員は「けがをした女性の家は壁と屋根が吹き飛んでいた。もし直撃していたら命は無かっただろう」と語った。 発電施設の約100メートル南西の女性方は小屋の窓ガラスが割れた。自宅で何かが爆発したかと思うほど大きな音だったという。女性は「被害が大きい家の人は親戚方に泊まるそうだ」と不安げな表情を見せた。 現場の川向かいにある工場にも揺れは伝わり、社内が慌ただしくなった。従業員の男性は「会議中、ドーンというものすごい音と振動があった。これが爆発の威力なのか」と驚きを隠せない様子だった。 施設から500メートルほど北西にある山形盲学校は部活動や放課後の活動中だった。すぐに生徒や教職員の無事を確認し、帰宅を呼び掛けた。大宮知徳教頭は「まるで建物に何かぶつかったか落ちてきたかのような大きな音だった」と話した。
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