社説

道の駅「米沢」オープン 県南の玄関口、誘客期待

 国の「重点道の駅」として米沢市に整備された道の駅「米沢」が20日、オープンした。昨年11月に開通した東北中央自動車道米沢中央インターチェンジ(IC)近くに立地し、米沢のみならず置賜や本県全域に観光客を呼び込む県南の“玄関口”であり、狙い通りに機能すれば、地方創生の拠点施設として大きな戦力になるだろう。大いに期待したい。

 道の駅「米沢」は市と県による合築で、休憩や道路情報提供に加え、県や置賜地域の各市町とも連携し、総合観光案内、交通結節点、産業振興の各機能を充実させたのが特徴だ。具体的には、観光案内所に外国語の案内ができる観光コンシェルジュを常駐させ、旅行業登録をして旅行商品開発にも乗り出すほか、高速バスの停留所を設けてパーク&ライド用の駐車スペースも確保するなど、ほかの道の駅とはひと味違う。

 定番の物品販売や飲食関係も充実している。農産物直売所には置賜管内の農家140人以上が出荷者登録し、良質で安全・安心な農産物を提供するほか、道の駅内に農産加工施設を設け、出荷農家のお母さんたちが運営している。特産品販売所には約70社が自慢の逸品をそろえた。中でも地理的表示(GI)に指定された日本酒「山形」をアピールすべく、県内全53酒蔵の日本酒と、全14ワイナリーのワインを集めたコーナーは圧巻だ。

 飲食エリアの目玉は同じくGI指定の「米沢牛」。好みの部位と量を選んで焼いてもらえるステーキレストランは、ライブキッチン方式で調理の様子を見ることができる。6月頃からは牛刺しやユッケなど生肉も提供予定だ。フードコートには、よりリーズナブルに米沢牛や県産牛を味わえる牛どんぶり、米沢らーめん、県産そば粉の十割そばといったコーナーが並ぶ。フードコートやトイレには小サイズの子ども用テーブルや便器もあるなど、細やかな心遣いを感じる。

 施設自体は充実しているが、逆にここで「旅の楽しみ」が完結してしまっては意味がない。そこで「米沢・置賜百選まちナビカード」というコーナーを設けている。置賜各地100施設のクーポンをカードにして掲示、自由に持って行き使ってもらう仕組みだ。観光案内所とともに、道の駅を起点に置賜各地へ観光客を誘導する手段として活躍しそうだ。

 全体的に非常に魅力のある施設だとは思うが、県外の人にも広く知ってもらわなければ宝の持ち腐れというものだ。積極的な情報発信を期待したい。県境に位置する道の駅は、客が入りやすい傾向があるという。県内屈指の入り込み客数を誇る遊佐町の「道の駅鳥海ふらっと」はその典型例だろう。PR次第によっては、県南の玄関口である「米沢」がそれを上回ることは十分に可能なはずだ。

 ゴールデンウイーク前の開業でもあり当面は相当の混雑が予想される。関係者は「オープン直後の多忙な時期に、従業員の不手際でお客さまに不快な思いをさせるのが一番怖い」と語るが、内覧会を見る限り一部スタッフにはまだぎくしゃくした感じも見られた。周辺の渋滞対策なども含め、ここ2~3週間は心して対応に当たり、充実した施設にふさわしい評価を得たいところだ。

(2018/04/23付)
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