社説

公益大の入学者増える さらに魅力を高めたい

 東北公益文科大(酒田市)の本年度の学部入学者数は271人となり、5年連続で増加した。2012年度に過去最少の138人まで落ち込んだが、教育の充実に取り組み文部科学省の各種事業の採択を受ける一方、地道な学生確保の努力を重ねてきた。大学の存在自体が地域活性化につながる側面があり、さらに魅力を高めてもらいたい。

 学部入学者数は編入を含む数字で開学以来2番目に多い。編入者を除いた1年生の入学も263人と定員の235人を上回っている。ここ数年、入学者数が伸びていることは文科省の補助金など大学の財政面でもメリットが大きい。

 公益大は12年度以降、生き残りをかけた大学改革を進めてきた。13年度に文科省の「地(知)の拠点整備事業」、その後も同省の大学教育再生加速プログラム(AP)、私立大学研究ブランディング事業に採択された。先月は私立大学等改革総合支援事業に東北・北海道では唯一、全5タイプ中4タイプで選定されている。

 一方で学生募集のアドバイザーを県内のほか東北各県や関東に配置し、同大の教職員とともに高校を訪問した。学生へのきめ細かな指導や奨学制度に加え、APに採択された卒業生の質保証に関する取り組みなど評価の高い教育内容を説明し、県内外の高校の理解が深まったことが入学者が増えた要因とみられる。

 公益大の特色の一つはグローバルな人材育成。具体的な方策として4学期制(クオーター制)を導入した。2学期制(セメスター制)では学期途中に学外の体験活動をすることは難しく、留学などは夏休みや春休みに行うため期間が限られていた。4学期制にしたことで第2クオーターと夏休みで最長3カ月を取ることができるようになった。そうした学修経験は卒業単位に算入される。

 留学などへの費用支援も手厚く、18年度に留学や海外での研修旅行、インターンシップを経験した学生は54人。2~4カ月の中期、6カ月から1年の長期留学をする人が増えている。連携協定を結ぶ海外の大学は中国、米国、ロシア、台湾の計8校あり今後も拡大を目指す。

 英国の教育情報誌が先月発表した「世界大学ランキング日本版2019」で、公益大は国際性の分野で全国74位、北海道・東北エリアで5位、同エリアの私大では1位になった。

 地元企業の社長に同行し職業観や人生観を学ぶ社長インターンシップ、県内外の企業・団体のリーダーや経営者を招くトップセミナー、一流の企業や人物、芸術に触れる合宿型研修「一流体験」などユニークな教育を展開し、客員教授には日本総合研究所会長の寺島実郎氏ら著名人が名を連ねる。

 さらに硬式野球、バレーボール、女子サッカーで実績のある生徒を積極的に勧誘し入学者増の要因にもなっている。

 人口減少や少子化で大学を巡る情勢は厳しい。研究レベルを高め、この人から教わりたいという教員を増やすことが求められる。公益大の今春の卒業生は約半数が県内に就職し定着率は比較的高い。地元で就職しやすいことも入学者を増やすポイントになる。地域全体で公益大を支えていくことが大切だ。

(2019/04/24付)
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