社説

新庄で来月「ゆきみらい」 克雪や利雪、全国に発信

 新庄市で来月、克雪・利雪、親雪の現状と課題や雪国の新たな地域振興策を展望する「ゆきみらい2019in新庄」と、恒例イベント「新庄雪まつり」が立て続けに開催される。全国から多くの来訪者が見込まれ、新庄をはじめとした豪雪地の取り組みの最新情報や、最上地域の冬観光の魅力が広く発信される機会としたい。

 「ゆきみらい」は国土交通省、開催地の県や市、企業、団体などが実行委員会を組織し、東北、北海道、北陸地方で毎冬リレー開催している。1962(昭和37)年度に新庄市で実施した除雪機械の展示実演会が前身とされ、ゆきみらいの名称となったのは85年度から。今回は同市が名乗りを上げ、2004年の米沢市以来の本県開催を決めた。

 期日は来月7、8日で、テーマは「雪とまつりのHISTORY(ヒストリー)―雪国救済運動発祥の地、新庄から未来へ」。新庄には昭和初期、雪害に苦しむ農村の救済のため旧農林省の「積雪地方農村経済調査所(雪調)」が全国で初めて設けられた。雪国救済運動発祥の地域であり、この歴史を振り返り、併せて未来に向けた雪との共存策を話し合うことは意義がある。

 また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形遺産に登録された新庄まつりへの誇りや郷土愛にも触れ、雪対策やまつりに向ける市民の協働パワーをアピールすることも狙っている。

 柱はシンポジウムで、防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄雪氷環境実験所(雪氷研)や新庄市雪の里情報館の代表、気象予報士、新庄への移住者らがパネリストとなり、克雪技術研究の成果や快適な雪国暮らしの課題を話し合う。

 市民や行政、研究機関から募った約40編の論文が披露される研究発表会も興味深い。▽冬期災害への対応▽冬期道路管理の情報通信技術(ICT)や官民連携▽雪国文化と観光―などがテーマで、相当役立つ情報が聴けそうだ。ほかに約50の関連企業や団体、行政が各種ブースで展示、商談を行う見本市と、除雪機械の展示・実演会が開かれる。

 意見交換と交流を通じ、少子高齢化が進む地方都市で課題となる除排雪作業の担い手不足、地域ぐるみの除雪作業や間口除雪の推進などについて、方策のヒントが見つかることを期待する。また新庄市は衛星利用測位システム(GPS)を活用した除雪管理システムを導入し大きな成果を出しており、こうした事例を紹介する機会にもしたい。

 ゆきみらいに引き続き、9、10日の土日曜にかむてん公園で開かれるのが新庄雪まつり。新庄青年会議所を主体とした実行委員会による人気イベントで、昨季は延べ10万人が訪れた。こちらはさまざまな雪遊び体験を通して、親雪の楽しさに触れてもらうイベントだ。

 ゆきみらいは、16年度の函館市に延べ5100人、17年度の富山市に7200人ほどが訪れており、新庄もこれに近づく人数を呼び込みたいところ。後に続く雪まつりとの相乗効果でにぎわいを高めることができるだろう。来月7~10日の4日間は、多くの人が新庄・最上の冬に理解を深め、楽しむ期間としたい。

(2019/01/21付)
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