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組織変革にリスキリング 山形でセミナー、経営者ら必要性共有

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リスキリングの必要性について意見を交わす(右から)佐藤俊一校長、高井糧社長、後藤宗明代表理事=山形市・県立産業技術短期大学校 リスキリングの必要性について意見を交わす(右から)佐藤俊一校長、高井糧社長、後藤宗明代表理事=山形市・県立産業技術短期大学校
 県内企業の経営者や人事教育担当者がリスキリングに対する理解を深めるセミナーが12日、山形市の県立産業技術短期大学校(産技短)で開かれた。一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明代表理事が基調講演し、「リスキリングは学ぶことがゴールでなく、組織の中に成長事業を作り出し、配置転換することも含んでいる」と強調した。

 後藤代表理事はリスキリングについて「組織が変革のために従業員に新たなスキルを習得させること」とし、個人の自主的な学び直しや、現在の職務の専門性を向上させる「スキルアップ」とは違うものだと説明した。その上で、ChatGPTなどの生成AIやデジタル技術の進化により、人間の労働力が不要になる「技術的失業」と「労働移動」が進みつつある現状を説明。「新しく生まれる仕事に就くための準備プロセス」として、組織がリスキリングに取り組む必要があると指摘した。

 切削工具再研削、特殊工具製造などのマイスター(寒河江市)の高井糧社長は同社の取り組み事例を紹介。後藤代表理事、高井社長と、社会人が学ぶ場としても機能している産技短の佐藤俊一校長の3人が、リスキリングの必要性についてトークセッションした。

 「リスキリングに取り組むと、新たなことを学んだ従業員が辞めてしまう」という懸念に対し、後藤代表理事は「成長機会に魅力を感じて優秀な人が入り、好循環が生まれているのが実態」と解説した。佐藤校長は「取り組む際は、企業の課題、学ぶ個人の問題意識、到達目標の三つを明らかにして臨んでほしい」と求めた。高井社長は「中小企業には余裕がない。学ぶ人をフォローする人材の雇用など、公的な支援があれば助かる」と話した。

 県が主催し、会場とオンライン合わせて約70人が聴講した。
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