山形新聞が創刊140年 地域発展へ県民と共に、社長訓示

2016年9月2日

 山形新聞は1日、創刊140年を迎えた。寒河江浩二山形新聞グループ経営会議議長(山形新聞社長)が全社員を前に訓示し、「この先も、親しまれる山新、なくてはならない山形新聞を作っていく使命がわれわれにはある。新たな歴史を一歩、一歩ともに切り開いていこう」と呼び掛け、紙面を充実させ、県民と共に県勢発展を目指していく考えを示した。

創刊140年を迎え、訓示する寒河江浩二社長=山形市・山形メディアタワー創刊140年を迎え、訓示する寒河江浩二社長=山形市・山形メディアタワー

 山形新聞は1876(明治9)年9月1日に創刊した。寒河江社長は創刊を記念してしたためられた漢詩を紹介。社員の心構えとして「仕事において、山形の先頭に立つという自覚が必要だ。そして社会の木鐸(ぼくたく)としての矜持(きょうじ)を持って事に当たらなければならないという二つの宿命を背負っている」と語った。

 また、太平洋戦争時に国を挙げて戦争遂行に加担していった本紙の姿を「二度と繰り返してはならない負の遺産」と位置付ける一方、戦後は県民と共に歩む地域密着、地域貢献の姿勢を強烈に推進してきたと説明。山形県勢懇話会の開設をはじめ、山形美術館、山形交響楽団、県縦断駅伝競走大会、最上川さくら回廊事業、県日中友好協会などあらゆる分野の事業を幅広く展開し、「県民との距離感を縮め、絆を強めてきた」と述べた。

 地方創生については「『後がない』という切迫感がある。地方紙は、その地域と共にある運命共同体だ」と語り、中央との格差を縮めるために、県民と手を携え地方創生を実現するスタンスを強調。一方で、マスコミの一翼を担う新聞として「言うべきところは言わなければならない。声を上げることで、懸念される動きに歯止めをかけることができるかもしれないからだ。何もしないでいることの弊害をわれわれは歴史の中に十分すぎるほど見てきた」と述べ、マスコミ人としての矜持を堅持するよう求めた。

[寒河江社長のメッセージ全文]
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