「医事漫談」などで人気を集めたタレントのケーシー高峰さん(本名・門脇貞夫、最上町出身)が亡くなってから今年4月で丸3年。ケーシーさんの弟子として「高峰」を名乗る芸人たちが数少なくなる中、師匠の名を絶やすまいと、師弟関係にあった大道芸能家・源吾朗(げんごろう)さん(71)=天童市出身=が、「高峰げんごろう」に改名した。兄弟子の勧めで一大決心。きょう23日に東京・浅草の浅草木馬亭で開かれるステージに新芸名で登場する。
かつて劇団に所属し、紙芝居パフォーマンスなどを行っていた源さんがケーシーさんと出会ったのは1976(昭和51)年。テレビ局であいさつしたのを機に、同じ山形県出身ということで目をかけてもらい、付き人も務めた。
当時の芸名「源(みなもと)吾朗」を知ったケーシーさんから、「偉そうな名前だな。お前は『げん・ごろう』の方が合っている」と言われて読み方を変えた経緯があり、名付け親でもある。源さんが独立後も、何かと気にかけて励ましてくれた存在だった。
そんな師匠が他界し、三回忌を迎えた昨年春、兄弟子である高峰コダマさんから源さんの元に「師匠もいなくなり、高峰を名乗る弟子もほぼいなくなって寂しい。源ちゃん、高峰を名乗りなよ」と連絡があった。師匠から付けてもらった名前を変えることに抵抗もあり一度は断ったが、今春に再び兄弟子から背中を押された。
「この3年、師匠とのいろんなことが思い出されて」と源さん。芸人仲間からも「今の芸名の上に高峰を付ければ」とアドバイスされ、踏ん切りがついたという。早速、福島県いわき市内に住むケーシー夫人やマネジャーに手紙や電話で連絡を取り、高峰を名乗ることの了承も得た。
今後は演芸や漫談などの舞台で新たな芸名を名乗り、お得意の大道芸と、師匠譲りの話芸を組み合わせた「大道芸漫談」を極めていく予定だ。「師匠に恥ずかしくないよう芸を磨いていく。新型コロナ禍が落ち着いたら故郷でもぜひ公演したい」と意気込んでいる。
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