投開票は7月10日で、選挙運動期間は2週間以上ある。1割強の有権者が態度を決めておらず、勝敗の行方は流動的な要素を残す。争点は、物価高騰への対応や憲法改正と安全保障の在り方など。人口減少が深刻化する地方創生の実現も問われる。
前回と違って野党共闘は限定的で、全国32の改選1人区で事実上の与野党一騎打ちは11選挙区にとどまる。本県は自公政権と国民の接近を背景に野党勢力の一本化が実現せず、共産が独自候補を擁立した。
舟山氏は、国民と立憲民主党、連合山形による「2党1団体」の枠組みを軸に、非自民系議員の支援を得て選挙態勢を組んだ。支持政党別で国民の9割、立民の8割を固め、無党派層の6割を取り込む。共産のほか、自民、公明にも一定程度の浸透を見せている。政府予算への賛成行動などを巡る支持者からの批判を抱えており、陣営内を引き締めている。
昨年12月に再選出馬を表明し、ミニ集会や座談会などを通じて支持者らとの対話を重ねてきた。長沢豊前JA山形中央会長を選対本部長に据えて農業票の取り込みを図るほか、物価高騰対策など政策面での実績を強調している。年代別では40代以上で優位に立つ。芳賀道也参院議員らの支援を受け、置賜、最上地域で優勢。庄内や山形市と周辺部でてこ入れを図る。
大内氏は公示まで1カ月を切った5月26日に立候補を決意した。擁立見送り論と主戦論で迷走した自民の動きは野党勢力の分断だけでなく、自らの支持基盤の揺らぎも生んだ。党選対委員長遠藤利明、鈴木憲和、加藤鮎子の3衆院議員の組織力を生かした戦いで支持基盤を引き締め、29市町村長の支持も取り付けた。空中戦を仕掛けて18日に岸田文雄首相が来援。公示後も党幹部らの投入を予定する。
昨年1月の知事選に出馬した大内氏、県全域に一定の知名度があり、自民、公明両支持層の7割弱をまとめ、維新支持層の一定程度を取り込む。無党派層への食い込みは弱く、与党の立場をアピール。年代別で10~20代に強く、東南村山、西・北村山でやや優位。県議時代からの地元山形市で攻勢を強めている。
石川氏は、国民の政府予算賛成に反発し、前回までの野党共闘関係を解消。今年2月に出馬表明し、消費税5%への緊急減税や憲法9条堅持などの政策を訴えている。党県・地区委員会との連携で街頭活動や集会を重ね、政権批判票の取り込みを目指している。
黒木氏は海外に依存しない食料自給や経済活動の環境整備などを主張。参政党山形支部の全面支援を受け、街頭活動を展開する。
小泉氏は、NHK放送のスクランブル化やヤングケアラーへの支援拡充などを掲げ、自転車で県内遊説を繰り広げている。
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