飛島の未来―帆船型ドローン出航 酒田港と結び8月から実証調査

2022/6/25 11:53
実証調査で飛島と酒田港の間を航行させる帆船型ドローン(NTT東日本山形支店提供)

 帆船型ドローンで本県唯一の有人離島・飛島と酒田港の間を行き来させる実証調査が今年8月から始まる。生活物資の輸送だけでなく、島内の生活ごみの運搬、海洋資源調査などで活用できるか確認する。日本海での調査は初。通信技術などが進歩し、帆船型ドローンは夢の技術ではなく実用化に近づいている。飛島への物資輸送は定期船「とびしま」のみで原則1日1往復しかない。「定期船を補完する存在になってほしい」と市は期待を寄せる。

 調査に乗り出すのはNTT東日本山形支店と酒田市など。国土交通省の補助事業「スマートアイランド推進実証調査」を活用する。情報通信技術(ICT)で交通や物流、医療、介護など離島が抱える課題を解決する手法を調べる事業で、飛島は2021年度も対象地域に選ばれている。21年度はスマートフォンを活用し、住民の買い物や観光客への食事の提供などをするスマート・オーダーシステムの実証実験を行った。

 今回の調査のため同支店と市、とびしま未来協議会、NTTデータ経営研究所と「帆船型ドローン」を開発しているエバーブルーテクノロジーズ(東京都調布市、野間恒毅社長)が「飛島スマートアイランド推進協議会」を組織した。

 同社は自動操船システムを開発。転覆しにくい小型ヨットに搭載し、クリーンエネルギーの風の力を使って航行させるノウハウを持つ。調査で使用する帆船型ドローンは全長2.3メートル、全幅1.25メートル、全高4.2メートルで、積載量は120キロという。

 飛島は酒田港から北西39キロにあり、現在は定期船が唯一の物資輸送手段となっており、原則1日1往復しかない。生活に必要な物資輸送だけでなく、ごみの運搬での活用も期待されている。島内にごみ処理施設はあるが、現在は稼働しておらず、定期船で生活ごみを酒田港まで運んでいる。また風の強い島の西海岸に多く漂着する海洋ごみを回収後に運ぶ手段や、海洋環境の調査にも役立てることが想定されている。

 定期船は酒田港―飛島間を1時間15分で結んでいるが、帆船型ドローンの所要時間は7~8時間。市の担当者は「所要時間は長めだが、カーボンニュートラルの取り組みにもなり、成功すれば物資輸送で定期船を補完する役割が期待できる。観光や島の海洋資源の保護などにも活用したい」と話した。

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