濁流、冠水、日常一変 置賜に大雨特別警報・住民続々避難、眠れぬ夜

2022/8/4 09:00
豪雨で冠水した路面から水が吹き出していた=3日午後4時17分、飯豊町椿

 大気の状態が不安定になった県内は3日、置賜、庄内を中心に大雨に見舞われた。米沢、長井、南陽、高畠、川西、飯豊の6市町には大雨特別警報が、5市町には警戒レベル5の緊急安全確保が出された。橋の崩落や道路の冠水など多くの被害が発生。「あっという間に浸水した」「まさか。どうしたらいいのか」。避難した住民が不安な夜を過ごした。

 観測史上、最大の24時間降水量を記録し大雨特別警報が出された置賜地域の各市町は災害対策本部を設置して状況把握に務め、各地に設けられた避難所には次々と住民たちが身を寄せた。

 町内全域に避難指示が出た川西町では、小学校体育館などに避難所が設けられ、午後9時時点で計約200人が集まった。同6時半ごろに開設された川西町小松小の避難所には、小さい子どもや高齢者がいる家庭を中心に姿をみせ、1時間後には100人を超えた。

 雨脚は強くなり、大きな雷音や洪水警報を知らせる緊急速報メールが何度も鳴り響いた。その間、避難者は家族で身を寄せ合って過ごしていた。父母や子ども、妹家族などを含む10人で避難してきた川西町上小松の30代女性は「あっという間に床下まで浸水し、避難を決めた。車の周りは太ももの高さまで浸水していた。まだ生まれて2カ月たっていない子もいるので、おむつやミルクが足りるか、子どもたちが不安にならず我慢できるだろうか…」と手を震わせた。

 長井市今泉の国道113号は一帯が冠水し、飯豊町方面に向かう車両の多くが立ち往生した。近くのコンビニエンスストア駐車場は一時的に避難する約30台の車でいっぱいになった。山形市の40代自営業男性は飯豊町の実家の様子を見に来たが「町内には入れそうにない。両親とは電話で連絡は取れているが、家が川沿いにあって不安だ」と話していた。

広範囲に冠水した長井市今泉の国道113号を走行する車=3日午後9時36分

通行止め、土砂崩れ相次ぐ

 【避難所】

 大雨の影響で3日、置賜と西村山両地域内の10市町に避難所が設置された。

 川西町は午後11時21分時点で小松小などに617人が、小国町では同9時50分現在、96人が身を寄せている。

 米沢市は午後9時半時点で23世帯52人が、白鷹町では午後10時半時点で262人が避難している。

 ほかの避難人数は長井市(午後10時半時点)が約507人、南陽市(午後9時半時点)で10人、朝日町(午後7時15分時点)で5人、西川町(午後9時半時点)で2人、大江町(午後11時時点)8人となっている。

 【車転落の情報】

 午後5時55分ごろ、飯豊町小白川の小白川に架かる大巻橋が崩落し、対向車1台が川に落ちたと、車で通り掛かった男性から110番通報があった。長井署によると、男性は橋が崩れているのに気付き停車したものの、対向車はそのまま進み、川に落下したという。車は流されたとみられ、行方は分かっていない。

 一方、川西町ダリヤ園そばの沼に車が落ちたが、運転手は無事だった。

 【通行止め】

 川西町では飯豊町につながる県道が冠水し、通行止めになった。町中心部でも通れない道路が多く、床下浸水や「車が動けなくなった」との通報が町に100件近く寄せられた。国道113号は飯豊町手ノ子―小国町綱木箱口間と、飯豊町添川で通行止めとなった。

 【土砂崩れなど】

 午後1時過ぎ、飯豊町小白川の渡部製材所の敷地裏手の斜面が崩れ、資材倉庫に流入した。中にあった住宅建築用材木が被害に遭った。

 また、米沢市の国道287号で土砂流入が、南陽市の梨郷地区でも小規模な土砂崩れが発生した。

 【鉄道】

 JRは山形新幹線つばさ、奥羽本線、陸羽東線、陸羽西線(代行バス)、羽越本線、米坂線で上下計134本が運休・区間運休した。4日は山形新幹線が新庄―福島間、奥羽本線が山形―米沢間でそれぞれ昼ごろまで運転を見合わせる。

 フラワー長井線は上下計8本が運休・区間運休し、上下計5本が遅れた。4日は始発から運転を見合わせる。

 【停電など】

 東北電力ネットワークによると、米沢や長井、南陽、高畠、小国、飯豊、川西の7市町で計3165戸が停電した。

 午後9時半時点で、飯豊町役場には電話がつながらない。ネットワーク設備の故障が原因とみられる。

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