飛島、「特定離島」指定早く 酒田市、コミュニティー維持へ国に要望強化

2022/8/15 10:32
市が特定有人国境離島への追加指定に向け要望している飛島=酒田市

 酒田市は飛島が国の「特定有人国境離島地域」に指定されるよう要望活動を強化している。現在、飛島は有人国境離島地域として安全保障など国土保全での支援を受けている。「特定」に指定されることで島のコミュニティーを維持するための交付金が受けられ、観光振興などによる生活の安定、移住・定住の促進につなげたい考え。

 中国の海洋進出や外国資本による土地の購入などに対応するため、議員立法で「有人国境離島地域保全・特定有人国境離島地域社会維持特別措置法」が2016年に制定された。この時、飛島を含む29地域・148島が有人国境離島地域となった。さらに、このうち8都道県29市町村の15地域・71島が「特定離島」に指定された。九州地方は指定が多い一方、ロシアや北朝鮮と緊張状態にある日本海側では、北海道を除き、特定離島に指定されていないのは、飛島と粟島(新潟県)だけとなっている。

 指定の基準は▽陸地から50キロ以上離れている▽人口減少率がピーク時比で40%以上―の2項目とされる。飛島の人口は1940(昭和15)年の1788人がピークで、その後は人口減少が進み、現在は90%以上減り、2021年度末は173人だ。ただ、酒田港から39キロ沖合に位置し、距離の要件で該当していない。

 政府は21年度当初予算に特定離島向けの交付金50億円を予算化しており、定期船の運航や雇用、観光、物資輸送で支援を受けることができる。渡航費用の負担軽減や移住・定住の促進、観光振興で島に人が住み続けるための後押しとなることが期待される。

 酒田市の関係者は「飛島は国境の島。無人島になってしまえば、領海や排他的経済水域の保全、島自体を守る上でも支障や懸念が出かねない」と話す。特措法は10年間の時限立法で、追加指定には法改正が必要になる。県も政府への要望事項に盛り込んでいたが、近年は新型コロナウイルス感染症への対策が優先となり、要望には含まれなくなっている。阿部武志企画調整課長は「人口減少で飛島は十分『特定離島』に指定されるべき状況。市としてあらゆる場面で要望を続けていく」と話した。

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