蔵王サマージャンプ初開催~飛躍の時(上) 国際基準に施設改修

2022/8/17 10:25
夏季大会が初開催されるアリオンテック蔵王シャンツェ。施設整備によりトップ選手の利用が進んだ=山形市蔵王温泉

 山形市のアリオンテック蔵王シャンツェ(蔵王ジャンプ台)で19、20日に「サマースキージャンプ2022山形蔵王大会」が初開催される。北京冬季五輪で金メダルを獲得した小林陵侑選手をはじめ、一線級が集まる国内最大規模の大会とあり、競技の裾野拡大や観光振興などの効果に期待が高まっている。運営スタッフ、地元選手、蔵王温泉関係者など、それぞれの立場で大会開催に向けた準備が進められている。

 緑に包まれたアリオンテック蔵王シャンツェ。雪に覆われて真っ白な姿となる冬季とは、またひと味違った迫力がある。サマースキージャンプ大会の初開催に当たっては、山形市が進めてきた施設整備、トップ選手らによる夏季の積極利用が好循環を生んできたことが背景にある。

 蔵王ジャンプ台は1978(昭和53)年の建設後、大会開催と並行し改修が重ねられてきた。大きな転機となったのは、2012年の女子ワールドカップ(W杯)の国内初開催。高梨沙羅選手の活躍などで機運が高まり、助走路の形状変更(13年度)やサマーヒル化(15年度)といった大規模改修につながった。

 大規模改修により、最新の国際基準に適合する国内唯一のジャンプ台となり、通年利用が可能となった。これに伴い16年度以降は、トップ選手たちが毎年のように夏季合宿で蔵王を訪れている。その代表格が、ジャンプ界の「レジェンド」・葛西紀明選手。葛西選手は市に夏季大会開催を提案するなど、今大会の実現を力強く後押しした。

 市は今大会開催に合わせてスポーツ振興くじの助成なども活用し、最新の風向風速発信器(ウインドファクター)を整備。風向きや風速による加・減点が自動で行えるようになり、公平性が増すこととなった。蔵王では23年2月に全国高校スキー大会、24年2月には国民スポーツ大会冬季大会のジャンプ競技が相次いで予定され、今後の大会開催に向けても環境整備が一層進んだことは好材料だ。

 11日には、地元選手や競技役員らが集まってのリハーサルを実施。市街地に比べて爽やかな風が吹き抜ける中、選手たちが本番さながらに試技を繰り返し、新たに導入した機器類を活用して採点も行った。本番に向けて、運営面での準備は着々と進んでいる。

 佐藤孝弘市長は「蔵王は冬のイメージが強いが、夏に快適な面もPRしたい。ジャンプ台という資源を生かしたい」とし、夏季大会開催を地域振興につなげていく考えを示す。市は今後の計画として、選手をスタート位置まで運ぶスロープカーの改修に合わせて輸送力アップを予定。競技環境整備に加え、観光資源としての価値向上についても検討を進めている。

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