冬の暮らしに、灯油高ずしり 山消連が今季初交渉、昨年比14円高

2022/9/22 11:41
灯油の共同購入に向け、価格交渉する山形市消費者連合会とジャオの担当者=同市

 冬場を前に、灯油を共同購入している山形市消費者連合会(山消連、高橋和子会長)と小売業のジャオ(同市)は21日、市内でシーズン初の価格交渉を行い、10月からの1リットル当たりの配達価格をホームタンク用113円、ポリタンク用114円で合意した。昨年比でそれぞれ14円高く、原油相場が乱高下した2008年の116円に次ぐ高値となった。電気代なども値上がりする中、消費者にとっては我慢の冬となりそうだ。

 冬場の灯油販売価格を決める目安の一つとなる価格交渉。ジャオ側は高値の要因について、ロシアからの天然ガスの供給が止まったことや、石油輸出国機構(OPEC)プラスが減産を決めたことが影響し、円安も相まって価格は乱高下していると説明した。その上で当初の交渉価格として、ホームタンク用114円、ポリタンク用115円を提示した。

 これに対し、山消連側は「エネルギーも食料品も値段が上がり、少しでも安くしてほしい」と訴える一方、「ポリタンク1個から玄関先まで配達してくれることは、お年寄りにとって非常にありがたい」と感謝も伝えた。値下げを交渉し、提示額の1円安で妥結した。

 県内のほかの小売業者や、灯油の利用者からは先行きを不安視する声が聞かれた。

 灯油の配達を手掛ける生活協同組合共立社(鶴岡市)の担当者は10月からの販売価格について「正確な金額は見通せないが、現状の円安や原油価格の高騰が続けば高くなる可能性はある」と話す。仕入れや配達にかかるガソリン代が高いことも影響し、「安くするには利益を減らすしかない」と声を落とす。

 米沢市のイタガキは、市内の住宅、事業所など向けに灯油配達を手掛ける。県石油商業組合米沢支部長を務める板垣勝雄社長(72)は「先が読めない中、少しでも早く情報をつかみたい」と、中東の原油市場と為替相場のチェックを欠かさない。「昨シーズン並みの厳冬となれば第一の懸念は安定供給。仕入れ値の上昇幅によっては、小売りの価格にも転嫁せざるを得ない」と表情を曇らせる。顧客に対して定期配送を勧め、安定供給と配送の効率化を図りたい考え。

 「冬は暖房を使わずにはいられない。どれくらい費用がかかるか見通せず、非常に不安だ」。山形市内の特別養護老人ホームの男性施設長(64)は心配そうに話す。施設の利用料は介護報酬を基に決められているため、上げることはできない。コスト増を吸収する手だてはなく、「繰越金を崩して冬を乗り切るしかない。我慢が続く」と語った。

 新庄市内の民間立保育園の経営者は「電気料金の値上げに続く灯油価格の高騰は非常に影響が大きい」とこぼした。食材費に加え、必要な消耗品もじわじわと値上がりしており「当面は節約しか打つ手はないが、限界はある。窮屈になる一方だ」と力なく話した。

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