実りの水田、残る傷痕 8月の豪雨から2カ月

2022/10/4 11:06
黄金色の稲穂と、流木や土砂が混在し、爪痕の深さを物語る=3日午後3時26分、飯豊町小白川

 置賜を中心に大きな被害をもたらした8月3日の豪雨災害の発生から、2カ月が経過した。田んぼは黄金色に輝き実りの秋を迎えているが、土砂が流入した田んぼは復旧が手つかずの箇所もある。見通しが立たない中で、来年の作付けを危惧する声も聞かれ始めた。

 飯豊町は良質なコメが育つ穀倉地帯で一面に田んぼが広がっている。約6.5ヘクタールの水田を持つ同町小白川、農業佐原一治さん(65)の田んぼは、実った稲穂と、土砂や流木が混在し、爪痕の深さを物語る。今回の被害で2.3ヘクタールほどが収穫できないという。被害が大きいため、国の支援を受けて町が堆積物を撤去する予定だが、現時点で実施のめどは立っていないのが実情だ。佐原さんは「来年春の田植えまで、元通りに戻ると良いが」と一刻も早い復旧を望んでいる。

 町によると、町内水稲作付面積の53%に当たる621ヘクタールの水田で被害を受け、被害額は6億9千万円ほどに上るという。比較的被害の小さい農地などの復旧については40万円を上限に全額を補助する制度を設けている。

秋の行楽シーズンに影

 一方、米沢市と福島県喜多方市を結ぶ国道121号は11月にも片側交互通行化となる見通しは立ったが、まだ通行止めは続いており、秋の行楽シーズンに影を落としている。小野川温泉旅館組合の斉藤孝夫組合長(51)は、福島、会津から、日帰り入浴や食事に訪れる人が減ったと感じる。「紅葉が最も良い時期が終わってからの開通になりそうで、そこは残念」と漏らす。通行止め区間に近い道の駅田沢は8月の売り上げが前年比で約7割落ちた。田中広太郎駅長(76)は「片側交互通行のめどが立ち、光は見えてきた。1日も早い開通を期待するしかない」と話した。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]