下水道資源を活用、温室ガス排出削減 山形大農学部が新事業、水田模型で実験

2022/10/5 12:56
カバーで密封し、処理水の量を変えて稲を育てる水田模型が並ぶ温室=鶴岡市・山形大農学部、8月(同大提供)

 下水処理水の水田活用に取り組む山形大農学部の渡部徹教授らの研究グループが、この取り組みを温室効果ガスの排出削減につなげる新プロジェクトを始めた。国土交通省の補助事業の採択を受け、来年度まで2カ年で実証試験などを行う。

 施設での処理を終えた水は栄養成分が豊富。通常は河川に放流するが、渡部教授らはかんがいに利用し、肥料なしで栄養価の高い飼料用米を栽培するなどの研究に取り組んでいる。関連研究で、水田の模型を使った実験を行い、地下の配管から処理水を入れて稲を育てると、水を張った田んぼから発生する温室効果ガスのメタンガスや亜酸化窒素の放出量が低減するデータが得られた。

 低減した理由は微生物の働きとみられるが、詳細は不明。理由を解明するとともに、どのような条件が最も削減につながるのかを明らかにする。下水道資源の活用がさらに広がる可能性があり、今年5月から秋田工業高等専門学校などと共同で研究している。

 渡部教授は「処理水を農業に活用することで温室効果ガスの削減に貢献し、下水道資源の活用策を広く普及させたい」と話している。研究費は2年間で総額6千万円の見込み。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]