31日午前0時55分ごろ、鶴岡市西目の集落で、住宅が倒れて電線が垂れ下がっていると110番通報があった。集落の裏山で土砂崩れが発生し、住宅2棟を含む建物約10棟が巻き込まれて倒壊した。2階建ての民家で就寝中だった男女2人は救助されたが、隣の家に住んでいた高齢夫婦の行方が分からなくなっている。捜索活動が続けられており、31日午後11時半現在、夫婦は見つかっていない。
現場は国道7号が近くを通り、約10棟のうち住宅2棟以外は事務所や作業場、空き家となっていた。土砂崩れは建物の北側の斜面で発生し、幅100メートル、高さ20~30メートルの規模で崩れ落ちた。崩壊した斜面は2009年に県が土砂災害の特別警戒区域に、住宅などが建っていたエリアは警戒区域にそれぞれ指定。市の土砂災害ハザードマップでは、いずれも「警戒区域」と表記されている。
鶴岡市消防本部や鶴岡署は発生直後の31日未明から救助、捜索活動を開始。同日中に県内各地の消防本部や県警機動隊、県の災害派遣要請を受けた陸上自衛隊など計250人態勢で、重機も使い行方不明となっている夫婦の本格的な捜索を続けた。市によると夫婦の自宅は2階建てで、普段生活をしていたとみられる1階部分が土砂で埋まっているという。
救助されたのは70代男性と60代女性で、2階建て住宅の2階寝室で就寝中に被災。家は土砂で押し流されたが、残っていた寝室の空間から同日午前3時半ごろ救出された。低体温症の症状があり、市立荘内病院に搬送されたが目立った外傷はない。
市は同日午前6時43分、避難指示の対象として8世帯22人を指定。避難場所は近くの金山公民館とした。このうち5世帯14人が同公民館に、1世帯4人は市内の親戚宅にそれぞれ避難した。県は災害救助法の適用を決定。捜索は夜通し続き、1日は災害救助犬なども投入して捜索態勢を強化し、原因究明の調査も行う。
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