鶴岡市西目で昨年12月31日未明に発生した土砂崩れで、鶴岡市は6日、避難指示が出されている7世帯20人のうち、4世帯13人について状況調査に最低でも2、3カ月を要する見通しを示した。その後の安全対策を踏まえて避難解除を検討する。一方、1世帯2人の避難指示はこの日解除され、さらに1世帯3人は早ければ1~2週間後に帰宅できるとした。
6日に開いた市災害対策本部会議で、5日の専門家による緊急調査の結果を踏まえ、今後の避難指示の取り扱いを決めた。4世帯は住宅の背後にある斜面に亀裂があることなどから2、3カ月にわたる調査を行った上で、さらなる調査の必要性や具体的な安全対策を検討・実施することから避難は相当な期間になる見込み。市は公営住宅の提供も想定している。
帰宅可能とした1世帯は、斜面と住宅の距離が離れていることなどから危険性は低いと判断した。残りの1世帯は家屋近くの斜面から湧水があり、1~2週間ほど水抜きなどを行った上で避難指示の解除を判断する。ほかに1世帯1人は住宅が土砂で大きく損壊し、1人は施設に入所している。本部会議ではこれまで約10棟としていた被災建物数について、17棟だったと報告した。
県は今後、土砂崩れ現場を幅約100メートル、高さ約30メートルにわたってブルーシートで覆って雨水の侵入を防ぐほか、12日までに現場周辺の3カ所に地盤の動きをモニタリングする測定機器を設置することにした。ボーリング調査を行い、地質や地下水の状況なども把握する。県道の交通規制は当面続けられる。
7日で発生から1週間となるが、今後も避難生活が続く世帯が多い。皆川治市長は「県などとも連携しながら対策を講じる。避難者にはできる限りの対応をしていきたい」と話した。
避難長期化「とてもショック」
7世帯20人に出されていた避難指示のうち、建物被害がなかった6世帯18人については、避難解除の時期が三つのケースに分かれた。多くの世帯で避難が長期化する見通しとなった一方、1世帯2人については6日に約1週間ぶりに帰宅できることになった。
避難指示の取り扱いを決めた鶴岡市災害対策本部の会議終了後の午後3時50分ごろ、避難指示が解除された家庭の駐車場に1台の車が止まった。車から降りてきた女性は大きな荷物を手に足早に家の中へ入っていった。
一方、早期帰宅が困難な見通しとなった50代男性は「長期間に及ぶとは思っておらず、とてもショックだ。現実を受け止めるしかない」と落胆した。その上で「公営住宅に移ることになっても家財道具はどうすればいいのか。今後の生活が不安だ。市には小まめに相談に乗ってもらいたい」と願った。
|
|