果樹王国情報発信の拠点施設整備構想を巡り、当初予算の撤回を経て再検討を進めている県は19日、県議会に対し、最上川ふるさと総合公園(寒河江市)に「フルーツ・ステーション」を設置する方針を示した。寒河江市の施設をモデルケースと位置付けて県内各地での整備を促し、観光誘客のネットワーク化を図るとした。民間活力の導入を見据え、2026年度の事業化を目指す。
構想は当初、同公園に平屋を整備し、展示室や研修室、カフェ、ショップなどを配置し、24年度内の開館を見込んだ。22年度一般会計当初予算案に設計費などを計上したが県議会の反発で削除した。幅広い観点から検討するとして昨年の9月補正予算で関連費を計上し、可決された。
県議会農林水産常任委員会にこの日、県が提示した計画素案によると、先駆的な施設として同公園内に設置し、カフェやショップ、サクランボの情報発信などの機能を想定する。民間事業者が飲食店などを営業し、収益の一部を施設整備などに充てる「パークPFI」(公募設置管理制度)の活用を見込む。施設の設置・運営などは民間事業者が、公園施設改修は県が担い、25年度に事業者の公募と選定を予定する。
果樹産地ごとに拠点施設の整備を促す。県が直接関わるのは寒河江市のみで、他施設の設置は希望する市町村などが担い、都市公園や道の駅など既存施設の活用や民間活力の導入を働きかける。
県は県内に複数の拠点施設が配置されることで観光客の周遊性が高まり、県産果樹の発信力も強化されると見込んでいる。
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