県は頻発・激甚化する災害に備え、「共助」の中核を担う防災士のスキルアップに取り組んでいる。防災意識の高まりから資格取得者は増加傾向だが、知識や技術を磨く機会が限られ、不安を抱くケースは少なくない。防災士の活動を活発化させることで地域の災害対応力を底上げしようと、新たな試みとして21日に県庁で防災士向けの研修会を開き、地域で活動するためのポイントを紹介した。
防災士の資格は、阪神大震災の教訓を踏まえ、NPO法人日本防災士機構(東京)が2003年度に創設した。本県は自主防災組織のリーダーや市町村職員などに対象を限っていたが、21年度に県内在住者に条件が緩和され、幅広く資格を取得できるようになった。
県内の認証登録者数は18年に1454人だったが、右肩上がりに伸び、22年は2115人に増加した。一方、資格取得後の活動はそれぞれの自主性に委ねられるため、「どんな活動をすればいいのか、分からない」といった声が上がっているという。
研修会は75人程度の参加を見込んでいたが、150人超の応募があった。この日は約90人が参加し、県防災士会の細谷真紀子副会長らが、防災士の活動や激甚化する災害への対応をテーマに講義した。
細谷副会長は、防災士は自ら動くことが原則であり、自宅の防災や地域の防災訓練に積極的に取り組むようアドバイスした。防災士の数だけ活動事例があるとし「自分のスキルを踏まえて、社会貢献できる分野を見つけてほしい」と話した。
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