圧巻、本県代表オリンピアン 冬季国体Sスケート

2023/1/31 11:46

 特別国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会は30日、青森県八戸市で競技を行った。この日が初日のスピードスケートはYSアリーナ八戸で9種目の予選と準決勝があり、県勢はいずれも山形中央高出の五輪代表で、成年男子1500メートルの一戸誠太郎(ANA)とウイリアムソン師円(タカミヤホテルグループ)がそろって準決勝に進出し、成年女子1500メートルの小坂凛(KHネオケム)は決勝(8人)に進んだ。

 1500メートルではほかに、少年女子の高橋美生(山形中央高)と成年女子の高橋侑花(大東大・山形中央高出)も決勝に駒を進めた。少年女子500メートルの大窪菜緒(山形中央高)は5~8位を決めるB決勝に進んだ。少年男子1万メートルの小谷駿太朗(同)は12人による決勝行きを果たした。

 31日は500メートルと少年男子1万メートルの決勝のほか、1000メートルと3000メートルの予選、成年男子1500メートル準決勝が行われる。

 フィギュア成年の男子はショートプログラム(SP)4位の佐藤駿(埼玉・明大)がフリー1位で逆転し、合計253.12点で初優勝した。昨年現役復帰した35歳の織田信成(大阪・大阪スケート倶楽部)は9位だった。

〈成年男子1500メートル予選〉切れのある滑りでトップ通過した一戸誠太郎(ANA・山形中央高出)=YSアリーナ八戸

【スポット】一戸、師円、小坂が予選組トップ通過―山形中央高出勢

 格の違いを見せつけた。本県代表として出場する3人の「オリンピアン」だ。この日はいずれも1500メートルのレースに登場し、勝負どころを押さえた圧倒的なレースで予選を各組トップで通過した。成長を求めて北海道から山形中央高に進んで世界に羽ばたいたからこそ「山形のために戦いたい」。第二の古里への熱い思いを胸に、国体での恩返しを期す。

 成年男子で平昌、北京の両五輪代表の一戸誠太郎(ANA)は最後のコーナーでトップに立つと、切れのある滑りで後続を一気に突き放した。ワールドカップ(W杯)後半戦が控えるタイトな日程にもかかわらず、本県スケート界を盛り上げるために出場を決断した。「いつも山形の人に応援してもらっているからこそ1番を取って貢献したい」と意欲をのぞかせた。

〈成年男子1500メートル予選〉勝負どころを押さえたレースを見せたウイリアムソン師円(タカミヤホテルグループ)

 同じ成年男子でソチ、平昌の2大会出場のウイリアムソン師円(タカミヤホテルグループ)は勝負勘がさえた。残り500メートルで仕掛けて集団から抜け出し、「ギリギリ逃げ切れるタイミングだった」と納得の表情だ。昨春に一線を退き、現在は仕事の傍ら、母校の指導に携わりながら高校生と一緒に練習に励んでおり「チームにいい流れをつくっていきたい」と意気込んだ。

 成年女子で北京大会代表の小坂凛(KHネオケム)はラスト1周で集団を一気に抜き去る圧巻のレースで決勝へ。隣の選手と接触する場面もありながら冷静にリンクを滑り抜けた。今季からナショナルチームで活動するが、重心の位置が定まらず納得の滑りには遠いようだ。「他選手の滑りから着想できれば」。チームへの貢献と共に復調のきっかけも探っていく考えだ。

調子上向き、高橋(山形中央高)決勝進出―少年女子1500

〈少年女子1500メートル予選〉決勝進出を決めた高橋美生(山形中央高)

 ○…「何とか入賞に絡むことができて良かった」。少年女子1500メートルで8人による決勝進出を果たした高橋美生(山形中央高)は胸をなで下ろした様子だ。0秒01の僅差で辛くも予選突破を果たすレース展開に「反省しかない」と苦笑いするしかなかった。

 各組2位までが決勝に進む中、先行する2人の選手の後方で戦況をうかがい、ラスト2周で責任先頭(1回)をクリアした。ただ、3人によるスパート勝負で仕掛けるタイミングが遅れ、最終コーナーを抜ける時点では3番手。直線で必死に追い掛け、ゴール直前でなんとかかわした。

 複数選手が同時に滑るシングルトラックならではの展開に「位置取りや駆け引きがまだまだ課題」としつつ「最後まで足を動かし続けられたことは良かった」と前を向く。

 ジュニアの国際舞台で活躍した昨季から一変し、今季は不調に陥った。少しずつ調子は上向いており「決勝では一つでも上の順位を目指して全力で頑張る」と意気込んだ。

大窪(山形中央高)、専門外で入賞確定―少年女子500

 ○…少年女子500メートルで大窪菜緒(山形中央高)がB決勝(5~8位決定戦)に進んだ。組3位で勝ち残り「後半を大事に考えて滑って結果につなげることができた」。入賞を確定させて表情はにこやかだ。

 元々は中距離選手だが、チーム事情もあって500メートルと1000メートルのレースで勝負する。スタートダッシュが苦手なため、「出遅れても焦らずに後半に勝負を懸けた」。準決勝では最初の100メートルを5番手で通過し、最終コーナーで大外からまくって順位を二つ押し上げた。

 専門外の種目で結果を残したことで「1000メートルに向けたモチベーションにもなる」とうなずく。「B決勝でも焦らずに自分らしい滑りで結果につなげたい」と力を込めた。

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