特別国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会は31日、青森県八戸市で競技が繰り広げられた。スピードスケートはYSアリーナ八戸で12種目を行い、県勢は少年男子1万メートルで小谷謙太朗(山形中央高)が4位に入った。少年女子500メートルの大窪菜緒(同)は5位だった。
成年男子1500メートルで、一戸誠太郎(ANA・山形中央高出)とウイリアムソン師円(タカミヤホテルグループ)が準決勝を勝ち抜き、そろって決勝(8人)に進んだ。師円は1000メートルでも予選を突破した。3000メートルでは、少年女子の高橋美生(山形中央高)と重堂沙姫(同)、成年女子の小坂凛(KHネオケム・山形中央高出)と福田琴音(大東大・同)が、それぞれ決勝(12人)進出を決めた。
1日は1500メートルの決勝のほか、5000メートルと2000メートルリレーの予選、成年男子1000メートル準決勝が行われる。
フィギュア成年女子は坂本花織(兵庫・神戸学院大)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位の合計238.63点で圧勝した。
2年生、序盤勝負的中-少年男子1万
2年生が成長を示した。少年男子1万メートルの小谷謙太朗(山形中央高)は要所で駆け引きがさえて4位。惜しくも表彰台は逃したものの、前回(6位)を上回る好成績に「力を出し切り、内容的にも悔いのないレースができた」と充実感をにじませた。
戦略がはまった。チェックポイントを先頭で通過した回数が重要となる国体独特の「責任先頭制」のルールで、序盤に勝負を懸けた。各選手が様子をうかがう中、勝負どころと踏んだ2周目に飛び出し4回続けてチェックポイントをトップで通過した。「プラン通り」という滑りで周囲にプレッシャーをかけた。
責任先頭の8回完了者は、中盤で抜け出した長野と北海道の2選手だけ。完了者以外は責任先頭の回数が優先されるため、序盤の仕掛けが生きた格好だ。がむしゃらにスパート勝負に臨んだ前回に比べレースの組み立てに成長を実感したようで、「今回は戦況を見極めながら周回を重ねることができた」とうなずく。
コーチのウイリアムソン師円(タカミヤホテルグループ)の存在は大きいようで「足の運び方など、後ろを滑るだけでも学ぶことは多い」と刺激を受けている。前回4位に入った5000メートルを控え「落ち着いたレースで表彰台を目指して頑張る」と意気込んだ。
大窪(山形中央高)、自信の5位・少年女子500
表彰式で賞状を掲げる表情は晴れやかだった。少年女子500メートルで5位入賞を決めた大窪菜緒(山形中央高)。5~8位決定戦のB決勝をトップで滑り抜け「狙い通りのレースができた」と2年生は自信をつかんだようだ。
入りの100メートルは3番手。スタートが苦手なため「出遅れても焦らずに後半に勝負を懸けた」。勢いよく第1コーナーに入ってバックストレートでの加速につなげると、最終コーナーを抜けた直線で大外からまくった。僅差の勝負をものにし、「最後まで諦めずにゴールを目指した結果」と充実感に浸った。
岐阜県出身。母親が山辺町出身で中学時代に山形中央高の選手と一緒に練習したこともあり、「速くて強い先輩方は憧れ」と越境入学を決断した。きつい練習に舌を巻くものの「確実に自分の力になっている」と感じている。元々は中距離選手。「スピード感覚を今後に生かしていきたい」とさらなる飛躍を期した。
|
|