県内で除雪作業中の事故が相次いでいる。原因の多くが足を滑らせるなどして「転倒」していることだ。小国町で1月26日に発生したケースでは家庭用除雪機の下敷きとなり、男性(70)が死亡している。今シーズン最大級の寒波が一段落して自宅前の雪片付け作業が本格化しているが、県や県警などは足場を十分に確保するよう警鐘を鳴らしている。
「急な斜面で除雪機を使うとバランスを崩し、横転することもある」。小国署の担当者は除雪機を使う際の注意点を指摘する。特に自走するタイプの除雪機は周囲の状況を見極めて早めにブレーキ、転回をしないと雪壁にぶつかったり、側溝に落ちるなどの事故を誘発する恐れがある。
小国町で先月発生した事故は除雪機を後退させた際に側溝に足を取られて転倒して下敷きとなった。同署は原因について、「被害者が周囲の状況を把握できていなかった可能性がある」とみている。事故を受け、同署は「除雪機を使う際は安全装置を適切に使用し、足元や背後のスペースの安全を十分に確認してほしい」と注意点を挙げている。
除雪作業中の転倒事故で特に危険なのは屋根の雪下ろしで、はしごからトタン屋根に移る場面だ。普段より気温が上がった日だと、トタンの上に積もった雪が解け、踏み込んだ際、一気に滑り落ちる危険性がある。はしごを使う場合も足元を安定させ、直角に設置しないと横滑りする恐れもあり注意が必要という。
【メモ】県防災危機管理課によると、昨年12月1日から今年2月1日午後1時までにまとめた今冬の雪による人的被害は56人で、昨年同期比66人減。原因別は転落が最多で22人、除雪時転倒15人、落雪7人、除雪機6人と続く。死亡事故は3人(除雪機2人、落雪1人)。
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