野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で5大会連続の準決勝進出を決めた日本代表「侍ジャパン」。大谷翔平選手(エンゼルス)やダルビッシュ有選手(パドレス)といったメジャーリーガーら豪華な顔ぶれの中、阪神の中野拓夢選手(日大山形高出)もしぶとい打撃と果敢な走塁を武器に、奮闘を続けている。同校の荒木準也監督(51)が17日、「教え子」のこれまでの戦いぶりについて語った。
中野選手は16日の準々決勝こそ出場機会がなかったが、1次リーグの4試合に出て計14回打席に立ち、10打数3安打、2盗塁を記録している。荒木監督は「大舞台でもプレーの一つ一つに、中野らしさが表れている」と評価している。
中軸を担う強打者ではなく「打線をつなぐ脇役タイプ」だからこそ、8番打者で求められることを「出塁することが何よりも大事」と説明。四球は四つ選び、「打ち急がず好機の起点となるという役割を忠実にこなしている」と強調した。
印象的な場面は韓国との第2戦という。源田壮亮選手(西武)の負傷を受け四回の遊撃の守備から出場すると、2打席目の六回先頭で右翼線への三塁打を放った。
「あれは本人にとっても大きかったはず」と恩師はみる。「差し込まれても三塁方向にファウルでしのぐなど打席での粘り方が良かった」とし「振り負けずに速い球を仕留めた打撃はしっかり準備してきた証しだろう」。七回の打席では初球を左前に運んだ。「初ヒットで心に余裕が生まれ、持ち味の積極的な打撃にもつながった」と結果が出たことによる勢いを感じた。
経験、成長へとつなげて
高校時代から走塁についての判断力は高く、加えて「大学、社会人と段階を踏んで成長し、スイングも速くなった」と評する。要所で二盗を決めたほか、豪州との第4戦でも左前打を放つなど、「攻撃面では源田選手と遜色ない。むしろ上ではないか」と話した。
守備では、チェコとの第3戦で失点につながる失策があった。荒木監督は送球動作を気にし「肘の位置が低く送球が垂れ気味になっていた」と鋭く指摘した。「そこは本人も課題としているところだろう」とおもんぱかり、「ベンチで源田選手に声をかけられたことが救いになったのでは」。「侍ジャパン」の一体感のある雰囲気に、チーム内の絆の強さを感じたという。
日本時間で21日の準決勝と22日の決勝は、米国で行われる。「ここまで中野はよくやっている。出場のチャンスはある」と考えている。「活躍して優勝できたらインパクトはあるが、この経験を今後の成長につなげてほしいとの思いの方が大きい」と、プロ選手としての飛躍を期待している。
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