新素材使用、初の量産化 スパイバー(鶴岡)×ゴールドウイン(東京)

2023/3/25 11:26
コレクションを発表したスパイバーの関山和秀代表執行役(左)とゴールドウインの渡辺貴生社長=東京・東京国際フォーラム

 バイオベンチャー「スパイバー」(鶴岡市、関山和秀代表執行役)とゴールドウイン(東京)は24日、スパイバーが開発した人工構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を使用した15アイテムを5ブランドから今秋発売すると発表した。これまでは数十点程度の抽選販売だったが初めて量産化し、9月に都内丸の内にアイテムを集めた店舗を開設する。

 ブリュード・プロテインは新素材で染色技術の開発も必要だったため、これまでは染色された商品が少なかったが、初めて黒などカラーバリエーションをそろえる。「ザ・ノース・フェイス」ブランドでは「ヌプシ ジャケット」など、各ブランドを代表する商品デザインを生かしながら、同素材使用により、新たな価値と可能性を高める。

 ジャケット、コート、セーター、フリース、靴など15アイテムで数千点を生産する。価格は現時点ではゴールドウインの従来商品の2倍程度。同社の渡辺貴生社長は「2030年ごろには同程度の価格になるのではないか」と話した。同社は30年までに全商品の90%を環境負荷低減素材で製造し、うち10%を同素材に置き換える目標を掲げている。

 スパイバーの人工構造タンパク質素材は昨年、タイの工場が本格稼働し、アパレル商品などの量産化にも対応できるようになった。商品の量産化にこぎ着け、関山氏は「ようやく新たなスタートラインに立てた」と述べた。持続可能性を考える上で循環がキーワードだとし「今後20年、30年ほどで使用後に資源として循環する仕組みをつくり上げることが、この先の人類の100年のために重要」と続けた。

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