山形市に社会人硬式野球クラブチーム「B―net/yamagata(ビーネット・ヤマガタ)」が発足した。きらやか銀行硬式野球部の無期限休部により同市で社会人硬式野球のプレー環境がなくなったことを受け、競技に取り組みたい一般希望者の受け皿として、同部OBやスタッフが立ち上げた。一時は野球を諦めた同部選手も加わり心機一転、クラブ日本一を目指す。チームはプレーできる喜びに満ちている。
1月に設立し、日本野球連盟に登録した。現選手数は10~40代の19人で、このうち同部出身者は13人。野球から離れたが、設立を知り再開した選手もいる。
企業から協賛金を集め、選手が出す部費とともに運営費に充てる。練習は山形市と周辺で空いている運動施設を探して予約し勤務後や休日に週3~4回行う。都市対抗、全日本クラブ選手権、社会人日本選手権の「社会人野球3大大会」出場を目指す。
チーム名は「ベースボール・ネットワーク」の略。野球で人とつながるとの意味を込めた。ボディーケア店を経営する斎藤亘ゼネラルマネジャー(49)は「高校生とも積極的に試合を組み技術向上を支援し、野球人口拡大、県野球界活性化にもつなげたい」と話す。
人数や資金、練習場所の確保に苦労するが、メンバーは楽しそうに野球と向き合い、白球を追う喜びを全身で表す。きらやか銀行硬式野球部員だった柿崎航選手(25)=鶴岡東高出=は休部で野球をやめる決意を固めたが、誘いを受け参加し「企業チームにも負けたくない」と闘志を燃やす。今春に山形商業高を卒業した庄司隼選手(18)は「第一線で活躍していた先輩が多く、レベルが高いが、優しい人ばかり。早く追い付きたい」と笑顔で語る。
1日は12人が中山町内のグラウンドに集まり打撃練習で快音を響かせた。15日に初の対外試合に臨み、5月には都市対抗県予選に挑む。同部休部時にコーチだった舟田友哉監督(39)は「勝負より地域に愛され、応援されるチームになりたい」と語った。チームは選手やファンクラブ会員、スポンサーを募集している。連絡先は石川剛マネジャー070(8688)2121。
|
|