江戸時代のソバの種を守る「幻の山形天保そば保存会」(石沢俊幸会長)の「天保そば」試食会が30日、山形市の鈴木製粉所・石臼館で開かれた。3年ぶりに一般参加があり、野性味感じるそばを堪能した。今季は“幻の米”とされる「亀の尾」を使った日本酒を初監修し、加盟店舗で提供する。
天保そばは約25年前、福島県の農家で見つかった約160年前のソバの実が始まり。山形市のそば職人らが奇跡的に発芽させ、保存会が原種を守っている。
試食会には生産者や観光関係者らが参加した。ゆでたてを味わい「味が強いね」「喉越しが良い」とにぎやかに楽しんだ。山形市の音楽講師羽川涼子さん(49)は「江戸のソバが山形の土や気候で育ち、山形の味といえるのでは。香りが強くおいしい」と話した。
昨年の収穫量は約3トンで、品質も量も上出来という。保存会に加盟するそば店13店舗で31日、1カ月ほどの期間限定で提供を始める。日本酒「純米吟醸 亀乃尾」は、そばを待つ間に酒を飲む文化「蕎麦前(そばまえ)」にちなんで考案された。
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