熱気健在、香味庵クラブ 山形国際ドキュメンタリー映画祭

2023/10/8 12:30
各地から訪れた監督や観客らが交流した「香味庵クラブ」。場所が変わっても熱量は健在だ=山形市・三十三間堂

 まさに人、人、人…。山形市で開かれている山形国際ドキュメンタリー映画祭の交流の場「香味庵クラブ」が6日夜、同市七日町1丁目のレストラン「三十三間堂」で始まった。こんなにごった返す光景を見るのは、新型コロナウイルス感染拡大以降で初めてだ。

 香味庵クラブは1993年から同市の漬物店「丸八やたら漬」を会場にしてきたが、2020年に同店が廃業した。コロナ禍の21年はオンラインで行い、今回は場所を変えて再始動した。9日までの各日午後9時から3時間オープンし、入場料はドリンク1杯とおつまみ付きで500円。先着順で芋煮も味わえる。

 「香味庵クラブに行ったら何人の監督からサインをもらえるのか」。自らにミッションを課し、会場に着いたのは午後9時半過ぎ。すでに芋煮はなく、160人収容の大広間や個室から人があふれ、通路を含め随所で立ち飲みに興じる姿が目立った。

 出遅れた感は否めない。どうにかして盛り上がるグループに切り込み、監督を探さなければ。ウクライナの今を描いた「東部戦線」のイェウヘン・ティタレンコ監督を見つけた。一緒にいた女性が通訳をしてくれ、他の監督にも声をかけてくれた。「我が理想の国」のノウシーン・ハーンさん(インド)、「訪問、秘密の庭」のイレーネ・M・ボレゴさん(スペイン)と次々にサインが集まる。

 日本人ならば一人でも大丈夫。自らを奮い立たせ、別のグループに向かう。坂本龍一さんの映画で開幕を彩った空音央(そらねお)さん、「GAMA」の小田香さんが談笑している。本県で撮影した「山女」の福永壮志(たけし)さん、「溺れるナイフ」の山戸結希さんら劇映画の監督も来ている。福永さんは「熱量や雰囲気が特別で、誰でもウエルカムな場所があるのは素晴らしい」と話した。

 集まったサインは21。数の多さに驚いた。サインをもらいながら、作品への思いや気になる映画、山形の印象などを聞くこともできた。この日の参加者は402人。監督や制作者、スタッフ、観客らが同じ目線で酒を酌み交わし、語り合い、心行くまで映画を満喫する。香味庵の魂は、場所が変わっても引き継がれていく。

山形国際ドキュメンタリー映画祭

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