【インドネシア沖=報道部・小田信博】第65次南極観測隊を乗せる予定の南極観測船「しらせ」は19日、インドネシアのロンボク海峡を抜けた。ここ数日は島々の間を航行していたが、再び大海原を進み、寄港地のオーストラリア・フリマントルを目指す。
ロンボク海峡はバリ島とロンボク島の間にあり、50万トンの大型タンカーが航行できる要所とされる。現地時間の午前6時ごろに海峡に近づき、右舷からバリ島のアグン山(3142メートル)が確認できた。島全体に霞がかかり、はっきりと見ることはかなわなかったが、久しぶりの陸地をうれしそうに眺める海上自衛隊員の姿があった。
陸地に近づいたわずかな時間に、携帯電話のインターネット回線がつながった。家族と1分ほどネット電話し、ささやかな会話に心が癒やされた。
その後、回線状態が良好な間に原稿を送ろうと急いで準備をしたが、スマートフォンの画面表示は「通信サービスはありません」。一瞬つながっただけでも良しとするべきか。いや、せめてあと30分はほしかった…。無情にも陸地は遠ざかっていき、期待していたインターネット社会との邂逅(かいこう)はあっという間に終わりを告げた。
「しらせ」は25日にフリマントルに到着し、第65次隊と合流する予定。
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