北海道の塩狩峠、再びにぎわいを 三浦綾子さんの人気活用

8/13 16:19
 小説「塩狩峠」ゆかりの駅として知られるJR宗谷線・塩狩駅=7月、北海道和寒町

 北海道和寒町が、作家三浦綾子さんの小説「塩狩峠」ゆかりの駅として知られるJR宗谷線・塩狩駅周辺の整備に力を入れている。観光資源の乏しい町にとって、同駅は「遺産」。駅目当てのファンが「足を運びたい」と思うような、三浦さんや小説にちなんだ場所をつくることで「にぎわいが戻れば」と期待する。

 塩狩駅は1924年開業。かつて良質な鉱泉が目当ての湯治客などでにぎわったが、2005年に温泉施設は廃業。JR北海道によると、13〜17年度の1日当たりの平均利用人数は1人以下だ。

 経営悪化に伴って廃止が検討されたが、21年度から町が年約400万円の維持費を負担して存続させている。

 小説は自らの命を犠牲にして塩狩峠で暴走した列車を止め、乗客を守ったとされる鉄道員長野政雄さんの話がモデル。根強いファンが多く、駅の維持費捻出のため、ふるさと納税で寄付を募ると、約2年で約1400万円が集まった。小説の資料を展示する記念館は年間約3千人が訪れる。

 町はこの人気を生かして「三浦ファン」の呼び込みを狙う。春にエゾヤマザクラが咲き誇る桜の名所、塩狩峠一目千本桜の周辺に、小説に登場するユキヤナギなどを植樹し「塩狩峠公園」として整備。駅から約3キロの山頂にある高さ約10メートルの夫婦岩は、町が周辺の土地を買い取り歩道をつくった。人間愛がテーマの三浦文学にちなみ、歩道にクマよけを兼ねた「愛の鐘」を増設予定。三浦さんの文学碑も新設する。

記事・写真などの無断転載を禁じます

関連写真

 小説「塩狩峠」ゆかりの駅として知られるJR宗谷線・塩狩駅=7月、北海道和寒町
写真・画像の無断転載を禁じます。
[PR]
[PR]