【パリ共同】フランスの公共交通機関や空港などで「南京虫」の名前で知られる害虫のトコジラミの発生が相次いで報告され、社会問題となっている。殺虫剤への耐性が高まったことなどが背景とみられる。国内外から多くの観客が予想される来年7月のパリ五輪開催まで1年を切る中、政府は深刻な問題だとして駆除作戦に乗り出した。
地元メディアによると、ここ数週間、パリの地下鉄や高速列車TGV、空港の待合室、映画館などでトコジラミの発生が報告された。全てが確認されたわけではないが、ソーシャルメディア上に列車や地下鉄をはい回るトコジラミの映像が公開され話題となっている。
事態を重く見たパリのグレゴワール副市長は9月下旬、ボルヌ首相に書簡を送り「来年に五輪・パラリンピック開催を控える中、国はこの災いに見合った行動計画を早急に策定する必要がある」と訴えた。これを受け、ボーヌ交通担当相は9月29日、対策を話し合うため近く交通事業者と面会すると約束した。
|
|