解散目前のBiSH…夢に見た“東京ドーム”実現への思い「一番かっこいいBiSHで終わりたい」
4月1日から放送がスタートするTVアニメ『天国大魔境』。「『このマンガがすごい!2019』オトコ編」で第1位となった石黒正数の人気コミックをProduction I.G制作でアニメ化した本作のOPテーマ「innocent arrogance」を担当するのが、楽器を持たないパンクバンド・BiSHだ。昨年は12ヶ月連続リリースなど、ますますパワーアップしているBiSHのメンバーが、楽曲に込めた思いや、今年6月に解散を控えた現在の心境などを語った。
【動画】「BiSHになれたから…」解散直前の心境・解散後のビジョンを語る
■新たなBiSHに出会えた楽曲「innocent arrogance」
――人気コミックをアニメ化した近未来SFアドベンチャー作品のOPテーマです。どんな楽曲なのでしょうか?
セントチヒロ・チッチ:『天国大魔境』は、“天国”を探す旅の物語で、明るい世界だけではなく、ダークな部分も描いています。そんなさまざまな感情をしっかりと歌に乗せて届けたいなと思っていました。BiSHにしては珍しく静かで暗めな感じでスタートする曲なので、最初はすごく難しかったのですが、私たちなりの思いを込めて歌わせていただきました。
――「BiSHには珍しい」と話されていましたが、最初に楽曲を聞いたとき、どんな感想を持ちましたか?
セントチヒロ・チッチ:私たちの楽曲は比較的ロックとかパンクが多いのですが、物語の世界観にぴったりな、陶酔できるような曲という印象を受けました。アイナがデモを収録してくれたものを聴いてそう感じたので、6人の声になったときにしっかりとパワーアップしなければいけないなという思いがありました。
アイナ・ジ・エンド:曲の歌詞に「僕らは僕らを進もう」というフレーズがあるように、不安や葛藤、もどかしさ、煩わしさを感じつつも、自分らしく進んでいこうという前向きなメッセージが込められています。そういった揺らぎみたいなものを表現しているからなのか、聴くたびに印象が変わる不思議な曲なんですよね。多分アニメと合わせて聴いたときと、単体で聴くのとではまたイメージが変わると思います。
――このタイミングで、また今まで出会ったことがないような楽曲に巡り合うというのもBiSHらしいですね。
セントチヒロ・チッチ:そうですね。BiSHは決めつけることが嫌いで、どんな受け取られ方をしてもすべてが正解だと思ってやってきました。昨年行った12ヶ月連続リリースでも、毎回新しい挑戦があり、私たちも知らないBiSHに出会えました。今回の新曲でも、また新しいBiSHが表現できると思うとワクワクします。解散は決まっていますが、まだまだ新たな自分たちを探しながら進めば、一番格好いいBiSHになれると思っています。
■終わりが見えている今もなお、進化し続けるBiSH
――進化し続けるなか、終わりがあるというのはどんなお気持ちなのでしょうか?
モモコグミカンパニー:常に新しいBiSHを見せたい、提供していくべきだと思ってやってきたので、いまは6月29日にBiSHがどんな形になっているのかとても楽しみです。そうやって終わりの日を迎えられたら幸せだなと思います。
リンリン:解散は悲しいけれど、ずっと初期のころから掲げていた東京ドームでのライブなので、とても幸せだし、どんな景色が見えるんだろうというワクワクでいっぱいです。
ハシヤスメ・アツコ:解散の日が近づいてきていると実感することは多いのですが、現時点ではラストライブを夢に見た東京ドームでできることが楽しみで仕方ないです。でも人の気持ちって日々変わるものじゃないですか。だからふとしたとき、たとえばお風呂に入りながら無性に寂しさを感じたり、東京ドームにふさわしいアーティストになれるのだろうかとか後ろ向きになったりしちゃうんです。多分6月29日まで、いろいろな感情が浮かんでは消えるのかなと思っています。
セントチヒロ・チッチ:解散については、寂しいし悲しいという気持ちもあります。誰もBiSHが嫌いで解散するわけではないし、むしろBiSHを愛している6人なので。でも解散を決めたのは、“自分たちが一番かっこいいときに散りたい”という思いだったので、挑戦を諦めてしまうような格好悪いことはできない。だからこそ、どんどん新しいことにも挑み続けるし、全力で突っ走っていこうという気持ちでやっています。
アユニ・D:私たちはずっと、おもしろいと思ったことや、やってみたいことに挑戦し続けて発信してきたので、最後までそのスタイルは貫きたいですね。最後まで己を信じて突き進むのがBiSHらしいかっこいい終わり方なのかなと。
アイナ・ジ・エンド:解散が決まっているので、“最後のシングル”とか、“最後のレコーディング”、“最後のライブ”とかって、必ず“最後”がついてくるのが寂しいと感じるときがあります。でも、リンリンやハシヤスメが話していたように、東京ドームに立てるんだというワクワク感の方がいまは強いです。あまり寂しがらずに、お世話になった方への感謝を忘れずに、最後まで走ることが、いまの私にできることなのかなと思っています。
■実力よりも上のことに挑戦してきた歴史が、ドーム公演への自信に
――東京ドームのライブが決まったときはどんなお気持ちでしたか?
リンリン:東京ドームで解散ライブができるかどうか分からなかったので、ソワソワしていたんです。だから「東京ドームに決まりました」と聞いたときは、うれしさ以上にホッとした気持ちでした。
――東京ドームの舞台に立っている姿は想像できますか?
アイナ・ジ・エンド:BiSHはこれまでも、自分たちの実力よりもちょっと上のことに挑戦させていただくことが多かったので、今回もきっとできるという確信があります。自分たちを信じて、しっかりとパフォーマンスをしていると思います!
――圧倒的なパワーでファンを魅了してきました。BiSHから多くのものをもらったファンも多いと思います。メンバーそれぞれは、BiSHというグループから、どんなことを得て、それをどんな形で今後に活かしていきたいですか?
ハシヤスメ・アツコ:グループで活動できたことが私にとっては大きかったです。BiSHになる前はずっと一人でいたので、人としての在り方や、ハシヤスメ・アツコという人間をメンバーたちに作ってもらいました。上から目線に聞こえたら申し訳ないのですが、後輩たちが、“こんな先輩たちがいたんだな”と思ってくれたらいいなと思います。
アユニ・D: 以前は「私はうまく生きられていない人間」と思っていましたが、BiSHになってからは、いろいろな人と出会い、人の優しさや愛を教えてもらえました。その分、体力的にしんどいこともあったのですが、それを乗り越えたら、どんどん自分が強くなっていったような気がします。最後の日が来たら、きっとまた何かが始まると思うので、新たに出会う人に“好き”という気持ちを伝えていきたいです。
セントチヒロ・チッチ:愛情表現の仕方、決めつけないこと、考えること……数えればきりがないぐらい多くのことを学びました。BiSHでなければ気づけなかったことがたくさんあります。今後は、愛をいっぱい持って幸せの方向に向かっていければいいなと思っています。
モモコグミカンパニー:なにが好きで、なにが嫌いなのか、苦手なのかなど、自分のことが全然わかっていなかったんです。BiSHにいることで、やり抜くことの大切さを学び、“自分”の輪郭がものすごくはっきりしてきました。
リンリン:作詞などをすることで、BiSHでなければ見せることがなかった内面の気持ちを表に出すことができたなと。それを清掃員(BiSHのファンの呼称)の方に聴いていただけたのがうれしかったです。私はモノを作ることが好きなんだなと改めて実感したので、今後も自分が感じたことなどをしっかり表現していきたいです。
アイナ・ジ・エンド:私はBiSHになる前は、歌とダンスしか好きじゃなくて、あまり人のことも心から信頼できなかったのですが、BiSHになって「歌もダンスも、誰かと一緒にするともっと楽しいんだ」と学びました。メンバーとは家族以上の時間を過ごさせてもらって、自分の至らない点や、欠点にもしっかり向き合ってくれました。BiSHになったことで、歌とダンス以外に、人のことも好きになりました。解散後も、この3つを大切に生きていきたいです。
取材・文/磯部正和
【動画】「BiSHになれたから…」解散直前の心境・解散後のビジョンを語る
■新たなBiSHに出会えた楽曲「innocent arrogance」
――人気コミックをアニメ化した近未来SFアドベンチャー作品のOPテーマです。どんな楽曲なのでしょうか?
セントチヒロ・チッチ:『天国大魔境』は、“天国”を探す旅の物語で、明るい世界だけではなく、ダークな部分も描いています。そんなさまざまな感情をしっかりと歌に乗せて届けたいなと思っていました。BiSHにしては珍しく静かで暗めな感じでスタートする曲なので、最初はすごく難しかったのですが、私たちなりの思いを込めて歌わせていただきました。
――「BiSHには珍しい」と話されていましたが、最初に楽曲を聞いたとき、どんな感想を持ちましたか?
セントチヒロ・チッチ:私たちの楽曲は比較的ロックとかパンクが多いのですが、物語の世界観にぴったりな、陶酔できるような曲という印象を受けました。アイナがデモを収録してくれたものを聴いてそう感じたので、6人の声になったときにしっかりとパワーアップしなければいけないなという思いがありました。
アイナ・ジ・エンド:曲の歌詞に「僕らは僕らを進もう」というフレーズがあるように、不安や葛藤、もどかしさ、煩わしさを感じつつも、自分らしく進んでいこうという前向きなメッセージが込められています。そういった揺らぎみたいなものを表現しているからなのか、聴くたびに印象が変わる不思議な曲なんですよね。多分アニメと合わせて聴いたときと、単体で聴くのとではまたイメージが変わると思います。
――このタイミングで、また今まで出会ったことがないような楽曲に巡り合うというのもBiSHらしいですね。
セントチヒロ・チッチ:そうですね。BiSHは決めつけることが嫌いで、どんな受け取られ方をしてもすべてが正解だと思ってやってきました。昨年行った12ヶ月連続リリースでも、毎回新しい挑戦があり、私たちも知らないBiSHに出会えました。今回の新曲でも、また新しいBiSHが表現できると思うとワクワクします。解散は決まっていますが、まだまだ新たな自分たちを探しながら進めば、一番格好いいBiSHになれると思っています。
■終わりが見えている今もなお、進化し続けるBiSH
――進化し続けるなか、終わりがあるというのはどんなお気持ちなのでしょうか?
モモコグミカンパニー:常に新しいBiSHを見せたい、提供していくべきだと思ってやってきたので、いまは6月29日にBiSHがどんな形になっているのかとても楽しみです。そうやって終わりの日を迎えられたら幸せだなと思います。
リンリン:解散は悲しいけれど、ずっと初期のころから掲げていた東京ドームでのライブなので、とても幸せだし、どんな景色が見えるんだろうというワクワクでいっぱいです。
ハシヤスメ・アツコ:解散の日が近づいてきていると実感することは多いのですが、現時点ではラストライブを夢に見た東京ドームでできることが楽しみで仕方ないです。でも人の気持ちって日々変わるものじゃないですか。だからふとしたとき、たとえばお風呂に入りながら無性に寂しさを感じたり、東京ドームにふさわしいアーティストになれるのだろうかとか後ろ向きになったりしちゃうんです。多分6月29日まで、いろいろな感情が浮かんでは消えるのかなと思っています。
セントチヒロ・チッチ:解散については、寂しいし悲しいという気持ちもあります。誰もBiSHが嫌いで解散するわけではないし、むしろBiSHを愛している6人なので。でも解散を決めたのは、“自分たちが一番かっこいいときに散りたい”という思いだったので、挑戦を諦めてしまうような格好悪いことはできない。だからこそ、どんどん新しいことにも挑み続けるし、全力で突っ走っていこうという気持ちでやっています。
アユニ・D:私たちはずっと、おもしろいと思ったことや、やってみたいことに挑戦し続けて発信してきたので、最後までそのスタイルは貫きたいですね。最後まで己を信じて突き進むのがBiSHらしいかっこいい終わり方なのかなと。
アイナ・ジ・エンド:解散が決まっているので、“最後のシングル”とか、“最後のレコーディング”、“最後のライブ”とかって、必ず“最後”がついてくるのが寂しいと感じるときがあります。でも、リンリンやハシヤスメが話していたように、東京ドームに立てるんだというワクワク感の方がいまは強いです。あまり寂しがらずに、お世話になった方への感謝を忘れずに、最後まで走ることが、いまの私にできることなのかなと思っています。
■実力よりも上のことに挑戦してきた歴史が、ドーム公演への自信に
――東京ドームのライブが決まったときはどんなお気持ちでしたか?
リンリン:東京ドームで解散ライブができるかどうか分からなかったので、ソワソワしていたんです。だから「東京ドームに決まりました」と聞いたときは、うれしさ以上にホッとした気持ちでした。
――東京ドームの舞台に立っている姿は想像できますか?
アイナ・ジ・エンド:BiSHはこれまでも、自分たちの実力よりもちょっと上のことに挑戦させていただくことが多かったので、今回もきっとできるという確信があります。自分たちを信じて、しっかりとパフォーマンスをしていると思います!
――圧倒的なパワーでファンを魅了してきました。BiSHから多くのものをもらったファンも多いと思います。メンバーそれぞれは、BiSHというグループから、どんなことを得て、それをどんな形で今後に活かしていきたいですか?
ハシヤスメ・アツコ:グループで活動できたことが私にとっては大きかったです。BiSHになる前はずっと一人でいたので、人としての在り方や、ハシヤスメ・アツコという人間をメンバーたちに作ってもらいました。上から目線に聞こえたら申し訳ないのですが、後輩たちが、“こんな先輩たちがいたんだな”と思ってくれたらいいなと思います。
アユニ・D: 以前は「私はうまく生きられていない人間」と思っていましたが、BiSHになってからは、いろいろな人と出会い、人の優しさや愛を教えてもらえました。その分、体力的にしんどいこともあったのですが、それを乗り越えたら、どんどん自分が強くなっていったような気がします。最後の日が来たら、きっとまた何かが始まると思うので、新たに出会う人に“好き”という気持ちを伝えていきたいです。
セントチヒロ・チッチ:愛情表現の仕方、決めつけないこと、考えること……数えればきりがないぐらい多くのことを学びました。BiSHでなければ気づけなかったことがたくさんあります。今後は、愛をいっぱい持って幸せの方向に向かっていければいいなと思っています。
モモコグミカンパニー:なにが好きで、なにが嫌いなのか、苦手なのかなど、自分のことが全然わかっていなかったんです。BiSHにいることで、やり抜くことの大切さを学び、“自分”の輪郭がものすごくはっきりしてきました。
リンリン:作詞などをすることで、BiSHでなければ見せることがなかった内面の気持ちを表に出すことができたなと。それを清掃員(BiSHのファンの呼称)の方に聴いていただけたのがうれしかったです。私はモノを作ることが好きなんだなと改めて実感したので、今後も自分が感じたことなどをしっかり表現していきたいです。
アイナ・ジ・エンド:私はBiSHになる前は、歌とダンスしか好きじゃなくて、あまり人のことも心から信頼できなかったのですが、BiSHになって「歌もダンスも、誰かと一緒にするともっと楽しいんだ」と学びました。メンバーとは家族以上の時間を過ごさせてもらって、自分の至らない点や、欠点にもしっかり向き合ってくれました。BiSHになったことで、歌とダンス以外に、人のことも好きになりました。解散後も、この3つを大切に生きていきたいです。
取材・文/磯部正和
公開:2023-04-02 09:00
更新:2023-04-03 10:34
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