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トヨタレンタリース山形社長
鈴木政康氏
鈴木政康氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、求める人材や能力は。

 「特に首都圏で車を持つより借りるというニーズが高まっている。首都圏からの旅行者など個人利用だけでなく、ビジネス利用も増えている。ビジネス利用の増加は大手企業が地方の支店を引き上げ、営業マンが首都圏から地方に来てレンタカーで営業先を回るというパターンが多くなっているからだ。車両管理や経理処理の負担が軽くなることから法人向けのカーリースも伸びており、レンタカー、リース事業とも右肩上がり。ただ、それだけに競争は激しさを増す。他社との違いを出すにはやはり人の力が重要。レンタカーでは電話や店頭の応対力、リースでは提案力などが大切になる。最初からうまくできる人はいない。だからこそまずは会社と一緒に自分も成長しようという気持ちがある人を求めている」

 -具体的な人材育成の取り組みは。

 「レンタカーでいえば店頭や電話での応対がそのまま“商品力”につながるため重点的に研修している。モチベーションを高められるよう、他社の従業員とも競える大会に参加している。一人のエースを育てるよりも全員のレベルアップを図りたいと考えており、全国のトヨタレンタリースの会社を対象とした店頭応対コンクールは全員参加で予選を行う。10年前から本格的に取り組み、過去には全国準優勝を果たした。大会に向けたスタッフの盛り上がりは、甲子園を目指す高校球児のようだ。大会向けを含め一人一人が3カ月に1回は研修を受けている。レベルアップを図ることでお客さまに喜ばれる経験を積み重ね、仕事の楽しさや面白さを感じ取り、次の努力につなげてほしい」

 -自らが仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「ネッツトヨタ南国(高知県)の横田英毅相談役だ。山形トヨタ自動車常務時代に全国のディーラーの視察研修で講演を聴いたのがきっかけで、徹底的にCS(お客さま満足度)にこだわる姿勢に感銘を受けた。社員一人一人がCSを考える力を持った会社が継続するといい、こうした会社づくりを目指している。今後も人づくりを大切にしていきたい」

 ★鈴木政康氏(すずき・まさやす) 山形東高、明治大工学部を卒業後、1989年にトヨタ自動車に入社した。95年に山形トヨタ自動車取締役、常務を経てトヨタL&F山形専務となり、2007年からトヨタレンタリース山形社長。山形市出身。51歳。

 ★トヨタレンタリース山形 1967(昭和42)年に設立。主にトヨタ車のレンタルとリースを手掛ける。駅前や空港を中心に県内15店舗を持つ。資本金2千万円で従業員数は約110人。本社は山形市鉄砲町3の1の33。

【私と新聞】地元スポーツ記事を愛読
 自動運転など新しいテクノロジーに加え、海外での配車アプリや個人間の車の貸し借りサービスなど自動車を取り巻く環境は変化が目まぐるしい。「最先端の状況を常にウオッチしていく必要があり、新聞は情報源として重宝している」と鈴木政康社長。インターネットなどのニュースも活用しながら日々専門分野の知識を深めている。

 また、山形新聞などで紹介している地元の高校やスポーツ少年団などが各種大会で活躍する記事にもよく目を通す。レンタカーの利用者も関係しており、社内で話題にすることも多く、子どもたちの頑張りが、同じように電話応対などの各種大会に向けて頑張っているスタッフのエネルギーになるという。鈴木社長は「地元のスポーツ記事はインターネットではなかなか読めない。こうした記事はもっと増やしてほしい」と話す。

【週刊経済ワード】FRB議長
 米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)のトップ。FRBの金融政策は世界経済に影響することから、議長人事への市場の関心は高い。金融機関の規制にも影響力を持つ。大統領の指名と議会上院の承認を得て就任する。任期は4年で再任も可能。2月5日に就任の宣誓式に臨んだパウエル現議長の前はイエレン氏が務めた。金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で委員長を務め、年2回、上下両院でそれぞれ証言する。
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